2009年5月23日1時50分
渋滞する東京湾アクアライン。後方は海ほたるパーキングエリア=4月26日、千葉県木更津市、本社ヘリから、上田幸一撮影
千葉県の森田健作知事は22日、東京湾アクアラインを通るETC搭載の普通車と大型車の料金を8月から大幅に値下げすると、正式に表明した。財源として必要な20億円のうち10億円は国から県への交付金で賄い、残る10億円は国土交通省が「県の社会実験への応分の負担」として負担する。結果として、森田知事の公約の目玉が国費で実現されることになるが、経済効果は未知数だ。
通行料は8月1日から毎日、普通車で800円(現行平日2320円、休日1千円)、大型車は1320円(同3830円)になる。
森田知事は、大幅値下げによる経済効果を「民間の調査機関による」としたうえで、「直接的経済効果が約405億円、間接的経済効果は数千億円」と説明。東京都や神奈川県などから房総地域への観光客の増加に加え、県幹部も「物流が活発になることは確かで、企業誘致も進む」とするが、値下げの効果を予測した県の試算はないという。
一方、千葉県の山間部は首都圏などからの廃棄物の不法投棄の多さでも知られ、県内の首長の間には「観光客だけでなく、産廃もさらに増えるのではないか」との懸念や、千葉県側から東京・横浜方面への買い物客の流出を心配する声もあがる。また、利用客の減少が見込まれる東京湾フェリーの斉藤昌哉社長は「とんでもない政策だ。補償を求めたい」と反発している。
国交省も当初、森田知事の案には難色を示していた。3月に、普通車の休日通行料を1千円に値下げしたばかりだったからだ。しかし、総選挙を前に、民主党の推薦候補を破った自民党出身の森田知事のメンツをつぶすわけにもいかず、与党に配慮した国交省が実現に向けて道筋をつけた。
ただ、高速道路の通行料を「もっと値下げしたい」のは千葉県だけではない。民主党が「高速道路の無料化」を掲げていることもあって、今後、税金を使った「千葉方式」での値下げ実現に向けた動きが活発になる可能性がある。