2009年5月25日15時1分
09年度に厚生年金を受け取り始めたモデル世帯の受給額は、現役世代の手取り収入の5割を超すが、受給から20年後には現役世代の約4割に下がることが、厚生労働省の試算でわかった。国が5割を約束しているのは、モデル世帯の受給開始時点の水準。男性単身世帯や共働き世帯などは、開始時から5割を切る。
厚労省が公的年金の試算に用いるモデル世帯は「サラリーマンの夫が平均的な収入で40年間加入。同じ年齢の妻はずっと専業主婦」だ。今年2月に長期財政見通しを試算した際に、モデル世帯は将来にわたって受給開始時に、現役世代の平均手取り月収(ボーナス込み)の50.1%を確保できるとした。
今回は、モデル世帯が20年間受給した場合の推移を試算。09年度に65歳で年金を受け取り始めるときの年金額は月額22万3千円で対現役比62.3%だが、受給開始から20年後の85歳では現在の価値に換算すると19万9千円に目減りして43.2%に下がる。
受給開始後の年金額は、物価の動きに合わせて変わる。通常は物価の伸びより現役世代の賃金の伸びが上回っており、厚労省の試算でも、物価上昇率1.0%に対し賃金上昇率は2.5%と設定。このため年を追うごとに、現役世代の手取り収入に対する年金水準は下がる。少子高齢化が急速に進んで受給者も増え続けるため、04年改正で年金水準を抑える仕組みが採り入れられたことも影響している。
前回04年の試算時は、65歳時点で現役収入比57.5%、85歳時点では41.8%だった。今回の試算で65歳時点の対現役比率が5ポイント近く上がったのは、賃金低迷やデフレ傾向の影響だ。その分、20年間の下がり幅は大きくなった。