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巨額赤字でも元次官用「天下りポスト」増設 農林中金

2009年6月8日3時1分

 農林中央金庫は、子会社の農林中金総合研究所(総研)に理事長職を設け、農林水産省の元事務次官で総研顧問の小林芳雄氏(59)を充てる人事案を固めた。農林中金は09年3月期に巨額赤字に転落。経営再建中にもかかわらず、農水省からの「天下り」ポストを増やす厚遇で、農水省も批判を受けそうだ。

 総研は90年設立のシンクタンクで、現社長は農林中金出身。社長の上に理事長を置いた時期もあるが、現在はポスト自体がなく、定款変更で復活させる。人事案は、早ければ今月の総研の株主総会で決まる見通しだが、ずれ込む可能性も残っている。

 農水省にとって農林中金、日本中央競馬会、旧農林漁業金融公庫の「御三家」の首脳ポストは大物次官OBの指定席だった。小林氏は08年7月、総研顧問に就任し、元次官の上野博史・前理事長の後任候補とみられてきたが、農林中金は金融危機で09年3月期に5721億円の純損失になり、上野氏は辞任。天下り批判を意識し、後任には生え抜きの河野良雄・副理事長が4月に昇格し、農水省は指定席をすべて失った。農林中金の副理事長にも5月、生え抜きの起用が固まった。

 関係者によると、農水省は小林氏の待遇アップを期待し、所管官庁との関係悪化を避けたい農林中金は、総研でのポストを格上げして折り合いを付ける。報酬も上がり、社長を超えるとみられる。総研顧問に前次官の白須敏朗氏(58)を受け入れる案も浮上している模様だ。

 政府は3月、退職後の公務員の天下りについて、省庁によるあっせんを年末に廃止する政令を閣議決定した。朝日新聞の取材に、農水省は「農林中金に対するあっせんは一切ない」(大臣官房幹部)と否定しているが、国会などで問題化する可能性がある。

 小林氏は07年9月、当時の遠藤武彦農水相が組合長を務める農業共済組合の補助金不正受給で、問題を把握しながら対応が遅れた責任を取り、辞任した。後任の白須氏も08年9月、事故米の不正転用問題で当時の太田誠一農水相とともに引責辞任した。

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