2009年6月14日8時40分
内閣府の食品安全委員会プリオン専門調査会の吉川泰弘座長(62)=東大大学院教授=が朝日新聞社の取材に辞任する意向を明らかにした。吉川氏は安全委の委員に選任が予定されていたが、参院で5日、民主など野党の反対多数で不同意とされていた。
吉川氏は03年の安全委発足当初から、下部組織の同調査会座長として、牛海綿状脳症(BSE)対策で「牛肉の安全性」を評価する専門家集団のとりまとめ役だった。
国会同意が必要な委員ポストに7月から新たに就く予定だったが、野党側は、05年当時、吉川氏が米国産牛肉輸入再開を事実上容認する答申をまとめる立場だったことを問題視した。
米国は牛肉の輸入再開を要求。日本政府は「科学的に判断する」として安全委に諮問。同調査会は「データが少なく科学的評価は困難」としながらも、「脳や脊髄(せきずい)などを除いた生後20カ月以下の牛という条件が守られるならば、国産牛との安全性の差が非常に小さい」との答申をまとめ輸入再開に道を開いた。
吉川氏は「各国は評価してくれたと思っているが、立法府から間違えたと言われるなら、責任をとるしかない」と述べた。当時の同調査会の答申については、「納得するまで議論を続けた。外圧があったから早く結論を出したとは思わない」と話した。