2009年6月17日7時8分
北朝鮮に出入りする船舶の公海上での貨物検査を盛り込んだ国連安全保障理事会の制裁決議を受け、政府・与党が今国会への提出をめざす「北朝鮮に係る船舶検査活動等に関する特別措置法案」(仮称)の原案が判明した。「海上保安庁または自衛隊」による船舶検査活動に加え、自衛隊による外国軍への後方支援活動を盛り込んだ。
現行の船舶検査活動法は、日本の平和と安全に重大な影響を与える「周辺事態」の認定が前提。政府は現状を周辺事態とみていないため、原案は活動根拠を国連制裁決議としているが、成立すれば、自衛隊による船舶検査と後方支援という周辺事態に準ずる活動が可能になる。
判明した原案によると、後方支援活動は「領海または我が国周辺の公海」で、燃料補給や人員の輸送を行う。インド洋で自衛隊が米軍などに実施しているような洋上補給などを想定。武器・弾薬の提供は含まない。
一方、船舶検査は、首相の判断で海保、自衛隊のいずれかが実施し、船舶が所属する国の同意と船長の承諾を得たうえで積み荷などを調べる。ミサイル関連物資などの禁輸品目があれば、航路変更などを要請する。活動区域は「領海または我が国周辺の公海」とし、外国軍の活動区域とは「明確に区別し指定する」としている。
活動の実施にあたり、首相は船舶検査と後方支援双方の活動内容を定めた基本計画を閣議決定する。国会の関与は事後承認とし、活動開始から20日以内に国会承認を求めるとした。武器使用権限は、海賊対処法案にある「停船命令に従わない場合の船体射撃」までは踏み込まず、正当防衛・緊急避難に限る。
与党は17日、法案作成に向けたプロジェクトチームの設置を決め、今国会成立をめざす方針を確認した。来週中をめどに法案の骨格をまとめるが、公明党は海自による活動に慎重で今後の焦点となる。ただ、法案が国会に提出されても、9月10日の衆院議員の任期満了を控え、成立の見通しは不透明だ。(石松恒)