【山下剛】憲法改正の時期や改憲の発議要件を緩める96条改正をめぐり、自民など改憲を掲げる政党の中でも温度差があることが、4日公示の参院選の立候補予定者に対する朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室の共同調査でわかった。連立与党の公明や党内に改憲派を抱える民主でも、慎重姿勢が際だつ。
参院選特集ページはこちら自民は公約に改憲を明記し、安倍晋三首相は96条改正を目指す考えを表明した。衆院では改憲に積極的な日本維新の会と合わせ、改正の発議に必要な3分の2の議席を占める。仮に参院選で「改憲勢力」が3分の2を超すとすれば、改正を発議する時期が焦点になる。
だが自民の立候補予定者では、次の参院任期中(6年間)に改憲を実現すべきかとの問いに「積極的に改正すべきだ」と答えた人は51%。一方、「機運が高まれば同意する」との回答も46%に上り、世論の行方を見定めたいという心理が根強いことも示された。
維新は「積極的に」が59%と最も多いが、みんなの党は「機運が高まれば」が多数派。自民と連立を組む公明では「急いで改正する必要はない」と「改正すべきではない」を合わせると64%に上り、77%の民主と同様に慎重派が多い。共産、社民は全員が改正に反対。生活は意見が割れている。
96条で定める改憲発議の要件を「両院の3分の2以上の賛成」から「過半数」に緩めることには、自民71%、維新87%、みんな66%が賛成派。だが反対派も自民と維新は1割近く、みんなは約2割存在する。公明は86%が反対派。民主、みどりの風は全員、大地は7割が反対派だ。
96条改正への慎重論を背景に、安倍首相は平和主義などの分野では発議要件を緩めない手法に言及。公明や、民主の改憲派からの協力に期待感を示した。だが両党の立候補予定者の意識とは、大きく隔たっているのが実情だ。
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朝日新聞社は東大・谷口研究室と共同で、6月上旬から参院選立候補予定者にアンケートを実施。7月2日夕までに、立候補を予定する約430人の9割以上にあたる397人から寄せられた回答を分析した。
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朝日新聞官邸クラブ