2009年7月3日3時2分
臓器移植法の改正をめぐり参院与党議員の有志らが、衆院で可決されたA案の修正案を来週にも提出する方向で検討していることが、2日分かった。現行法と同様に、「臓器移植の場合のみ脳死は人の死」という趣旨の条文を盛り込む。
「脳死は人の死」との前提に立つA案には、「臓器移植の場合のみ」という趣旨の言葉が入っておらず、脳死を一律に人の死とみなすことになるのではないかとの懸念が参院議員の間で消えていない。このため、医師免許を持つ古川俊治議員(自民)らを中心に、A案を支持してきた参院の自民、公明議員の一部が、幅広い支持を得るため修正案を準備している。
提出されれば、賛否が分かれ、成案を得るための意見集約はさらに難しくなるとの見方が強い。野党多数の参院で国会運営の主導権を握る民主党幹部は2日、7月中旬以降を検討していた法案採決の時期が「遅れる」との認識を示した。
民主党は、衆院同様、参院厚労委員会で採決せず、本会議で審議状況の中間報告を受けた後、一定期間をおいて本会議で採決することを検討中。野党議員による「子ども脳死臨調」の設置を求める改正案を含めて、3案とも採決された場合、過半数で可決される法案が出ない可能性が高まる。
現在は、本人が提供の意思を書面に残していなければ脳死は人の死とされず、臓器を摘出できない。このため、民法で遺言を残すことができる15歳以上の人しか意思表示できず、臓器提供できない。A案は、脳死を人の死と位置づけ、本人の意思が不明でも家族の同意で提供できるようにし、年齢制限もなくす。修正案もこの部分はA案の内容を踏襲する。
A案が「臓器提供の場合のみ」という趣旨の言葉を入れなかったことについて、提出者は「臓器提供以外の場面に影響を及ぼすものではない」と説明するが、反発が根強い。