【岡村夏樹】参院で過半数を回復し、衆参ねじれの解消を目指す与党の自民、公明両党。一方の野党は、民主、日本維新の会、みんな各党などの選挙協力が進まないまま4日の参院選公示を迎えた。野党候補が乱立するなかで、与党が候補者を絞って戦うという構図が目立つ。
特集:2013参院選■民主・維新・みんな、3党共闘はゼロ
民主党は野党だった前々回の2007年参院選で、当時の小沢一郎代表が主導して野党共闘に積極的に取り組んだ。29(現在は31)の1人区では、推薦候補を含め23勝。第1次内閣当時の安倍晋三首相率いる自民党を惨敗に追い込んだ。
だが、今回は野党の足並みがほとんどそろわない。衆院の野党第1党から第3党までの民主、維新、みんなの3党が協力する選挙区はゼロだ。
民主は維新との協力を模索した時期もあったが、改憲を目指す維新とは「憲法観が異なる」(細野豪志幹事長)と断念。公示直前には、みんなと候補者が競合しない1人区で選挙協力することで合意したものの、互いに推薦を出すまで至っていない。かつての社民王国、大分では、民主、社民両党が無所属候補への一本化で合意したが、みんなも候補者を立て、混戦となっている。
維新とみんなの協力も、山梨選挙区だけにとどまる。政策面で共通点が多い両党は当初、25選挙区で候補者の一本化に合意。だが維新の橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言で、共闘は崩壊した。協力が内定していた愛知、福岡などを含め、10選挙区で維新とみんなの候補者が激突する。
民主離党者が中心の生活の党も、古巣の民主との選挙協力は福岡選挙区のみ。社民やみどりの風と民主との協力も、一部の選挙区にとどまっている。
一方、野党の候補者の擁立状況を見ると、沖縄を除く全選挙区で公認候補を立てた共産党以外は「足腰」の弱さが目立っている。
自民、共産以外の主要政党の公認・推薦候補がいない選挙区は、富山、和歌山、香川、山口の4カ所に上る。民主は01年以降この4選挙区すべてで公認・推薦候補を出していたが、今回はいずれも独自候補を擁立することができず、不戦敗となった。
■自民、比例区擁立も少なめ
安倍首相にとって07年参院選の雪辱がかかった今回は、自民党の候補者擁立の手堅さが目立つ。
選挙区では、前回の10年と同じ49人を公認。2人区以上で、複数の候補者を擁立した選挙区は東京(改選5)と千葉(改選3)だけだ。
高い支持率を背景に、大阪、静岡で2人目を擁立する動きもあったが、共倒れを避けるために「原則1人」を貫いた。前回は与党だった民主党が、直前まで幹事長だった小沢氏の戦略で複数区で原則2人ずつ立て、選挙区で計61人を擁立したのとは対照的だ。
また、選挙区の新顔候補30人のうち、首長や県議出身者が15人と半数を占めたのも今回の特徴。前回は新顔27人のうち8人にとどまっていた。一定の地盤を持ち、基礎票を見込める候補者を立てるという堅実な選挙戦略が浮かぶ。
比例区でも、事前にスキャンダルが報じられた立候補予定者の擁立を見送るなど、候補者を10年、07年よりもそれぞれ6人少ない29人に絞り込んだ。
自民と連立を組む公明党は埼玉、東京、神奈川、大阪の4選挙区に候補者を立てる。愛知選挙区でもいったん擁立を決めたが、昨年の衆院選比例区で県内の得票率が伸び悩んだことなどから見送った。
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朝日新聞官邸クラブ