【相原亮】「未成年者の選挙運動は禁止されています」。4日公示の参院選からネット選挙が解禁されたのに合わせ、総務省や各地の選挙管理委員会がこんな呼びかけを進めている。パソコンやスマートフォンを使って気軽に「発信」できるだけに、やってはいけないことに焦点を絞った訴えだ。
参院選特集・ネットと選挙ネット選挙がわかった!ページ「ネット選挙が解禁されても未成年者の選挙運動は解禁されません。誤解のないよう、制度の周知を」。先月中旬、愛知県庁であった県内市町村の選挙事務担当者の会議で、県選管の前田貢事務局長が訴えた。下旬には、県内の全高校にネットによる選挙運動をしないよう呼びかけるビラを配布。三重県選管は高校に加え、県内の大学にもビラを送った。
ビラは総務省が作成した。「未成年の方は選挙運動はできません!」とうたい、政党や候補者のメッセージをツイッターでリツイート(引用)したり、フェイスブック(FB)でシェア(共有)したりするなど、選挙違反に問われる例を具体的に挙げている。
未成年者の選挙運動は公職選挙法で禁じられており、「特定の候補者の当選を目的とした行為」が違反の対象となる。違反者は「1年以下の禁錮または30万円以下の罰金に処する」と定められている。
ただ、法を徹底するのは容易ではなさそうだ。同省の情報通信白書(2012年版)によると、13〜19歳のインターネット利用率は96・4%で、20〜29歳の97・7%に次ぐ数字だ。若者が気軽に政党や候補者のメールやツイートなどを転送したり、拡散させたりするケースが予想される。
愛知県選管の清田佳治主査は「若者が政治に関心をもってくれるのはありがたいが、我々は選挙運動だけはしないよう呼びかけるしかない」と話す。
では、どんなことならやってもいいのか。ネット選挙に詳しい財団法人「尾崎行雄記念財団」の谷本晴樹主任研究員は「『私は憲法改正に反対です』とか『アベノミクスで経済は元気になると思う』など、政策に対する評論は大丈夫」と話す。政治的なテーマに対する意見表明は未成年者でも自由にできる。
また、「『○○党の誰々は落とすべきだ』という『落選運動』も、選挙運動ではないため認められる」。公選法が未成年者に禁じているのは特定候補者の「当選を目的とした行為」であり、誹謗(ひぼう)や中傷などに当たらない範囲の「落選を目的とした行為」は構わないという。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞官邸クラブ