参院選の候補者たちは、今回から解禁されたインターネットの選挙運動を生かそうと、あの手この手で工夫している。
参院選特集ページはこちら参院選特集・ネットと選挙比例区に立候補した自民新顔の男性は、遊説を一切せず、ネット選挙運動だけで勝負する。「資金も支持組織も知名度もない。だからネットしかないんです」
音楽活動を通じて知り合った有名アーティストとの交流が強みだ。公示後、人気グループ・EXILEのHIROさんをゲストに迎えた対談番組をネット配信。「HIROが話せば、見る人数が違う。そこで自分の言葉に耳を傾けてもらえるか。人間力が問われている」。今後も若い世代に注目されるゲストを迎えた番組を配信する予定だ。
近畿地方の共産新顔の女性は1日からホームページで、20代の女性マンガ家に依頼し、自らの生い立ちや人柄を伝えるマンガの連載を始めた。
ターゲットは若者。マンガでは、高校時代や結婚のエピソードを「肉食系」などと紹介。党を紹介するマンガもあり、「おもろ杉w(面白すぎて笑った)」などと反響が寄せられ、アクセス数は以前の週3千件から6千件に増えた。陣営は「理屈を長々と載せても読んでもらえない。拡散してもらえる面白いものを狙った」という。
「街宣車の上で叫んでみませんか」。近畿で立った30代後半の公明新顔の男性を支援する同級生らは、フェイスブックで選挙カーに登壇する同世代の人を募集。応募した約120人から選ばれた3人が7日、車上から候補者への期待や注文を話してもらう。陣営は「有権者参加型の選挙をめざしたい」と話す。
近畿の自民現職の男性は、フェイスブックを3年前から始めた。「あか〜ん」「みんなきてや〜」などと関西弁で書き込み、賛意を示す「いいね!」は2千を超える。
公示直前に掲載したのは「ワシの戦闘グッズ」。選挙中に使う赤い竜の柄のふんどしのほか、のどあめ、あたりめなどが入ったバッグを公開した。公示日以降もこまめに写真やメッセージを投稿。秘書は「票につながるかは分からないが、多くの人に見てもらって話題になれば」と話す。
民主から立った中国地方の男性現職は親しみやすさをアピールしようと、地元特産のラッキョウをモチーフにした本人のキャラクターを制作。ツイッターなどに掲載する。支援者から「漫画に似てきましたね」と声をかけられ、手応えも感じているという。
■シャツにQRコード、事務所に「ネットカフェ」
ネット利用が解禁されたものの、法的な制限は少なくない。「選挙違反になるかも」と迷いつつ、新たな手法を模索する候補者もいる。
中国地方の現職候補は、運動員が着るポロシャツの背中部分に「QRコード」を入れた。コードを携帯電話やスマートフォンで読み取ると、候補者のホームページのアドレスが表示される。陣営はネット選挙運動に積極的に参加しているとPRするつもりで約200枚を作った。
公職選挙法はネット選挙の解禁後も、街頭などで選挙期間中に使える運動用文書を法定ビラなどに制限している。この候補の場合は、QRコードからつながるアドレスに本人の名前をローマ字で入れている。総務省選挙課によると、ポロシャツに候補者名を表示したのと同じとみなされ、文書図画の頒布の禁止に触れる恐れがあるという。
陣営はポロシャツを作る際、法に触れるか県選管に相談したという。担当者は「せっかく作ったので」と語り、警告などを受けなければ着用を続けるという。
中国地方の新顔候補は、選挙事務所の玄関ガラスに「NET CAFE」と印刷した巨大なシールを貼った。事務所内には無線LANが備えられ、置いてあるパソコンで候補者の動画を見ることができる。陣営は「気軽に立ち寄れる雰囲気にしたかった」と話す。
選挙区がある県選管によると、有権者が選挙と関係がないゲームなどをすれば、本来は有償のサービスをただで使わせたことになり、公選法で禁じる寄付行為となる恐れがある。ただ、選管は「選挙に関連した使い方ならただちに問題にならない」としており、陣営も「事務所に来た人が目的外の利用をしないよう気を付ける」と話す。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞官邸クラブ