8日に北海道・洞爺湖町のホテルで「日中韓賢人会議」が開かれ、歴史認識や領土をめぐる対立をどう乗り越えるかについて、福田康夫元首相らが講演した。福田氏、曽培炎・中国元副首相、李洪九・韓国元首相の講演の概要は次の通り。
■福田康夫元首相
5年前にこの会場でG8(主要8カ国)首脳会談があり、(中韓からも)胡錦濤国家主席、李明博大統領が集まった。5年前も天気を一番心配した。今日はちょっと霧がある。日中、日韓に覆い被さる霧が早く晴れてほしい。日中韓は時にいがみあうが、運命の絆で結ばれている。協力する3つの分野を提起したい。
まず高齢化社会。中韓でもこれから確実に顕在化する。日本の教訓から学べるのは、年金や医療の社会保障制度の維持は容易でないということだ。積み立てる若い人は減る一方で赤字が拡大している。消費税引き上げは改善の策だ。
環境、エネルギーでは、日本は高度経済成長による公害を技術革新で改善したが、福島原発事故で不安が追加された。中国は高い経済成長が続き、環境問題が顕在化した。3カ国は一衣帯水だ。PM(微小粒子状物質)、黄砂問題と、国境を超える問題がある。
最後に地方レベルの交流について。3カ国で良くも悪くもナショナルな意識が国民の間で依然、かなり強く共有され、時として狭量なナショナリズムとして噴出する。21世紀はグローバル化で国家(の役割)は低下すると言われる。韓国人だ、日本人だ、中国人だと肩を張っても、地方レベルで交流を深めていけば、仲間だとわかりあえる。
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朝日新聞官邸クラブ