【斉藤太郎】野田政権の中心メンバーだった民主党の「6人衆」が、参院選で地元に張り付いている。党内には野党転落を招いた「A級戦犯」という批判が強く、おひざ元の候補が敗れれば発言力のいっそうの低下は免れない。選挙後の復権に向け、どぶ板選挙に徹する日々だ。
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11日昼、千葉県香取市の商業施設の前。炎天下で民主党の候補者と並んで声を張り上げたのは、「ドジョウ宰相」と呼ばれた地元の野田佳彦前首相だった。
千葉選挙区(改選数3)では自民党が2人を公認。ほかに日本維新の会やみんなの党、共産党、生活の党などの候補者が乱立しており、民主党の選対関係者は「野田さんの地盤があっても安心できない」と話す。
野田氏は連日、県内を回り、「つくだ煮にしたいくらいたくさんいる自民党議員のせいで、国会は学級崩壊だ」などと自民党批判を展開。全国各地を回った昨年の衆院選とは様相が異なる。ただ増税反対の議員が離党して「民主党は筋肉質の集団になった」と誇った衆院選時の勢いはない。
野田氏を含め、かつて渡部恒三元衆院副議長が次世代のリーダーとして集めた「7奉行」の生き残りに安住淳元財務相を加えたメンバーは党内で6人衆と称される。政権時代は中枢に座り、小沢一郎元代表と対峙(たいじ)。今は海江田万里代表の執行部とは距離を置き、月1回、会合で党運営をめぐり意見交換している。
いずれも自分の選挙は強いが、参院選では地元候補者が軒並み苦戦。落選させれば体面も傷つくため、地元にとどまり応援する。
前原誠司元外相の地元、京都選挙区(改選数2)は自民、共産、維新などとしのぎを削る。前原氏は10日に京都市内の商業施設などを回り、マイクを握る候補者の傍らで聴衆に分け入って「お願いします」と握手攻勢をかけた。岡田克也元外相も連日、地元の三重県内各地で街頭演説に立つ。2000年の補選以降、三重選挙区(改選数1)で民主党が負けたことはないが、選対幹部は「今回、三重を落とせば1人区は全敗するかも。最後の砦(とりで)だ」と話す。岡田氏は11日夜は松阪市で細野豪志幹事長と決起集会に参加。「もう一度、政権について改革政党・民主党を立ち上げる。三重で勝つことで、その力を与えてほしい」と訴えた。
6人衆の地元候補者の「勝敗」は、選挙後の党運営にも影響を与えそうだ。党中堅は「『戦犯』の6人は身をもって危機を克服することが大事だ」と述べ、参院選で貢献することが復権につながると指摘。6人衆の一人は「選挙区で勝たせることができれば、今回の『責任論』は降りかからない」として、参院選で勝利した6人の中から「ポスト海江田」の有資格者が出てくる可能性を指摘する。
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朝日新聞官邸クラブ