【木村司、八尋紀子】この3連休、博多では、投開票が8日後に迫る参院選の選挙運動と、博多祇園山笠のクライマックスが重なる。福岡選挙区(改選数2)の各陣営も、772年の歴史を誇る重要行事の山笠には気を使う。大音量の演説で邪魔しないように、遊説ルートから博多を外したり、マイクを使うのを避けたりと工夫している。
参院選特集ページはこちら2003年から「海の日」が7月第3月曜日になり、以後は毎年、この日を含む3連休がある。参院選は3年に1度あるが、選挙運動ができる最後の日曜日「ラストサンデー」と、山笠のピークが3連休中に重なるのは初めてだ。山笠は13日に集団山見せ、14日に流舁(ながれが)き、15日に追い山がある。
14日の次の日曜日、21日は投開票日。候補にとってラストサンデー前後の休日は、街に繰り出した家族連れらに支持を呼びかける大切な日だ。しかし今年は、福岡の6陣営のうち多くが、山笠対策をいろいろ考えている。
新顔を擁立したみんなの党の江田憲司幹事長は連休中に福岡入りするが、人出の多そうな福岡市を避け、周辺の春日市や大野城市、太宰府市などで遊説する。
民主新顔も連休中は福岡市内で演説せず、北九州市に重点をおくという。陣営は「本来は3日間とも福岡でやりたいところだが、渋滞は避けたい」。
自民も「追い山」の15日まで数日間は、博多区では遊説しない予定だ。
一方、日本維新の会は、新顔候補の14日のスケジュールを博多区周辺中心に組む。ただ、徒歩で移動し、マイクも切る。交差点で手を振るなどして支持を訴えるという。
陣営の担当者は「山笠で集まった人たちに、のぼりやたすきでも目にとめてもらえれば。邪魔にならない範囲でアピールします」。
■「山笠終わるまでは仕方ない」
自民の井上貴博衆院議員=福岡1区選出=は、祖父や父が山笠振興会の会長経験者で、山笠とともに育った。今は参院選の応援で忙しい日々を送る。
「物心ついてから、山笠のお汐井(しおい)とりや流舁きに出られない経験は初めて。選挙を優先するのは当然ですが、歯がゆい思いもあります」
一方、山笠を優先し、選挙に専念できない関係者もいるようだ。ある陣営の幹部は「博多区周辺の後援会の動きがイマイチ。山笠で忙しい人が多い。終わるまでは仕方ない」とぼやく。
■法被姿で事務所は御法度
山笠と選挙には、苦い過去もある。1971年の参院選で、県議らが選挙への協力を求め、現金を配った事件があり、現金を受け取るなどした地域の顔役や山笠の役員らが逮捕された。役員らは事件後、政治や選挙には一切かかわりを持たないと誓いを立てた。
山笠の間、男衆は法被姿のまま冠婚葬祭にも行くが、同じ格好で選挙事務所を訪れるのは御法度だ。山笠振興会は今年も、選挙にかかわるときは法被を脱ぐことを確認した。選挙と一線を画す姿勢を各流に徹底している。
山笠振興会の名越正志事務局長は「大きな組織なので、昔は選挙に利用されたこともあったが、今は一切ない」と話す。
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朝日新聞官邸クラブ