【伊藤稔】半世紀以上も無投票が続く大分県姫島村の村長選が30日に告示され、無所属現職の藤本昭夫氏(69)以外に立候補の届け出がなく、8選が決まった。全国町村会などによると、無投票による8選は現職首長で最長。一島一村の村では1957年以降、歴代3村長で16回連続の無投票選挙になった。
藤本氏は84年、7回連続で無投票当選した父熊雄氏の急死を受けて立候補し、同じく当選を重ねた。無投票が続く理由について、藤本氏は「55年の村長選で親子や夫婦で支持が割れる激戦になって以降、1対1の選挙はまずいという風潮が生まれた」と分析する。
熊雄氏は、給与を低く抑えて多くの職員を雇う「行政ワークシェアリング」を導入。職員の給与水準を示すラスパイレス指数は72.9で全国最低だが、村民11人に1人が村職員だ。
ただ、藤本氏の初当選時に約3300人だった人口は約2200人に減り、若者の流出や漁業の後継者不足が課題になった。元村議らは「議会は質問も出ず、村政のチェック機能が働いていない」と指摘する。8選後、藤本氏は「たまたま無投票になっているが、マンネリになることはない。雇用不足や漁業衰退など村政は厳しい。村で結束したい」と述べた。