長妻昭厚生労働相はこのほど、地方分権改革推進委員会が国の基準廃止などを求めた第3次勧告への対応方針を公表した。保育所や介護施設の職員の人数配置や、居室面積は原則として国の基準を維持。待機児童が多い東京など都市部の認可保育所の保育室の最低面積だけは、例外的に自治体の判断で決められるよう、基準を緩和する考えを示した。
保育室の面積基準は、0〜1歳児で1人当たり3.3平方メートル。長妻氏は会見で「待機児童の問題もある一方で、保育の質を今より上げなきゃいけないという課題もある。待機児童が解消されれば国の最低基準に戻していただく」と述べ、待機児童の問題が解消されるまでの一時的措置との考えを強調した。想定しているのは東京23区などで、横浜市や川崎市など待機児童の多い地域を含めるかどうかは今後、検討するという。
施設の廊下の幅や介護の内容などについては、国の基準は目安とし、地方の判断に委ねる。ただし、国の基準を下回る場合はサービス水準に応じて補助金などを下げる。勧告を最大限に尊重しつつ、質の確保に努める方針だ。
認可保育所の待機児童は約2万5千人(4月1日現在)。「施設を増やすためには、基準緩和が必要」という声がある一方で、保育関係者は「国の最低基準をなくすと、保育室に子どもが詰め込み状態となり、保育の質の低下を招く」と指摘する。
国が自治体の仕事を法律で縛る義務づけを巡っては、政府の分権推進委が10月、892項目について大幅な廃止・緩和を求める第3次勧告を鳩山由紀夫首相に提出。このうち保育所の設置基準など地方から要望のあった103項目について内閣府が各省庁に4日までの回答を求めていた。