【貞国聖子】長崎県の国営諫早湾干拓事業の開門調査をめぐり、農林水産省は4日、堤防の排水門を開門すると県側に伝えた。1997年に閉め切られたままの堤防の修復など、開門に必要な工事の日程を記した工程表も示した。農水省は開門を命じた2010年12月の福岡高裁判決(確定)に沿い、来年12月までの開門を目指す。
郡司彰・農林水産相が4日午後3時から中村法道知事らと諫早市で面会し、開門を通知した。「開門で生じる防災機能や農作物への影響が少ない」として、海水の流出入量を年10億トンに制限する開門方法をとる、と伝えた。
「開門による塩害や泥の巻き上げで農業や漁業に被害が出る」と訴えてきた県側は、強く反発するとみられる。これに対し、農水省は(1)地盤沈下を懸念する地元住民に配慮し、農業用水は地下水をくみ上げる方式ではなく、海水を淡水化する施設を設ける(2)農家や漁業者を対象とした補償を検討する――などの対策を示し、開門に理解を得ていきたい方針だ。