会計検査院は11日午前、国費の使い道を検証した08年度の決算検査報告を鳩山由紀夫首相に提出した。税金の無駄遣いや不適切な経理処理などの指摘は717件、計約2364億円だった。07年度の約1253億円を上回り、過去最高の指摘金額となった。
農林水産省や経済産業省などで不要な基金や保有資産の見直しなどを指摘。こうしたいわゆる「埋蔵金」が約1千億円分もあり、過去最高額を押し上げる格好になった。
このうち経産省では、大手金融機関の相次ぐ経営破綻(はたん)を受け、貸し渋り対策として98年に設立された「中小企業金融安定化特別基金」が問題視された。補助金で賄われ、全国52の信用保証協会に提供されたが、緊急保証に対応できない制度のため、07年度末で約391億円が取り崩されずに保有されていた。
昨年、全国で相次いで発覚した不正経理問題は検査を継続、26府県に加え、新たに2政令指定都市と13の中核市も調べた。02〜07年度の事務費などが対象で、不適正とされた金額は約32億円(うち国庫補助額約16億円)に上った。
このうち余った予算を業者にプールする「預け」と呼ばれる悪質な手口が11県市でみられ、金額は約7億8千万円(同約4億円)だった。
検査は国の機関にも及び、経産省資源エネルギー庁で約7千万円、同省関東経済産業局で約2千万円の預けなどの不正経理が指摘された。
こうした法令違反などと判断された「不当事項」は約123億円あったが、その半分近くが厚生労働省や同省所管の独立行政法人だった。国民健康保険をめぐる負担金や調整交付金の過大交付など約61億円の指摘を受けていた。
検査院の検査報告は、指摘を受けた省庁などに自主的な是正を促すほか、内閣から国会に提出され、衆参委員会の決算審査の参考にされる。(前田伸也)