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福岡1区で民主前職の松本龍・元環境相(61)が敗れ、目を真っ赤に潤ませつつ「私の力不足。申し訳ない」と語った。比例復活もできず。部落解放同盟や建設業界、労働組合の分厚い組織を固めきれなかった。
福岡1区の開票結果はこちら小選挙区制になった1996年以降、5連勝してきた。2005年の郵政選挙でも、福岡でただ一人、小選挙区を勝ち抜いた。
祖父の治一郎氏は「部落解放の父」と呼ばれた。松本氏も部落解放同盟の副委員長だった。治一郎氏が起こした「松本組」は地元で有数の建設会社に成長。これらが「松本党」と言われ連続当選を支えた。
それが、今回は十分に機能しなかった。
昨年7月、復興担当相だった松本氏が被災地で「知恵を出さないやつは助けない」などと発言したことに批判が高まり、引責辞任に追い込まれた。身内のはずの部落解放同盟福岡県連合会も、「言動は看過できない。猛省を促す」と文書で批判した。
不況のあおりで建設業界の動員力も衰えた。前回支援した建設業者の一人は「もう松本組に仕事を回してもらうこともない。応援の呼びかけはあったが、従業員を減らしているし、人を出す余裕はまったくないので断った」と話す。
自民党はこれまで、支持層が重なる松本氏への配慮から、全面対決を避けてきた側面があった。でも今回は、共存を図ってきた山崎拓元副総裁、太田誠一元農林水産相ら有力政治家が相次いで表舞台を去った。
乗り出してきたのが麻生太郎元首相だった。安倍晋三総裁の裁定に持ち込み、自らが推す県議の井上貴博氏(50)の擁立を決めた。安倍氏は周囲に語ったという。「福岡1区に初めて自民の旗を立てるんだ」
なぜこんなことになったのか? 気鋭の研究者と現役の官僚が、民主党政権の「政治主導」を検証し、将来の再度の政権交代に備えて「教訓」を導き出す。