【読者会議】離れて自由 あえて「卒婚」

<Reライフアンケート>定年後の夫婦関係

更新日:2017年04月09日

 定年退職後、夫婦関係は変わりましたか。Reライフ読者に尋ねると、男性の7割が「変わらない」、2割が「よくなった」と回答。良好な関係を築くヒントを、まず男性側から探ってみました。

会うのは年数回 生活を満喫

 「サイクリングで長い距離走って疲れた」

 大阪市に住む近藤太一さん(63)は、熊本市に住む妻の一惠さん(63)に、LINE(ライン)でメッセージを送った。炊飯器が壊れて困った、番組が面白かった、きょうの献立は……。一日に何度か、たわいのない出来事を、思いついたように報告しあう。

 離れて暮らして4年になる。実際に会うのは、年に数回程度だ。

 大阪で生まれ育った太一さんと、田舎暮らしが好きな一惠さん。太一さんは、仲間とのテニス、サイクリングに忙しい日々を送っている。一惠さんは、故郷の熊本に戻り、バードウォッチングやパッチワークを楽しんでいる。ゆるやかにつながりながら、それぞれが自分の生活を満喫する。

 2人は、そんな形を「卒婚」と呼ぶ。「一緒に暮らしている時と夫婦の近さは、そんなに変わった気はしていません」と太一さん。今回のアンケートにも、太一さんは定年後の夫婦関係について「変わっていない」と回答した。

 2人とも元教員。「卒婚」は4年前、一足早く大阪の小学校を退職する直前に一惠さんの方から切り出した。一惠さんには、幼なじみも多く、自然豊かな熊本にいつかは戻りたい、という思いがあった。「最初に聞いた時、正直『おれ、毎日のごはん、どうしたらいいんかな』と思いました」。太一さんは振り返る。

 ただ、太一さんには、家事も子ども2人の子育ても妻に任せきりにしてきた、という「申し訳なさ」もあった。「その後、妻に飯の炊き方を習い、なんとかいけそうやなと思ったので、最後は『ええよ』と言いました」

 一惠さんは早速、熊本市内にマンションを借りて一人暮らしを始めた。1年後には、海外に住んでいた長女(34)が帰国し、熊本市内の福祉関係の学校に通うために一惠さんと一緒に住み始めた。

卒婚のメリットは?

 太一さん
「気兼ねせず全ての時間を好きなように使えること。話し相手に困ることもありますが……」

 一惠さん
「お互いが住みたい場所に住んで、自分のペースで暮らせることですね」

 将来、どちらかが体調を崩したりして一人暮らしが難しくなれば、また一緒に住むことになるだろうともいう。「でも、今は、この形でいけるところまでいこうと2人で話しています」と、太一さんは笑顔で話した。

時間にゆとり 家事分担

 現役時代は共働きでお互い忙しく、ささいなことでいがみあうこともありました。私自身、仕事のことばかり考えて精神的な余裕が持てず、相手を思いやる気持ちに欠けていました。退職後は、日々ゆったりと過ごせるようになり、家事も分担するようになりました。妻から多少の苦言があっても、素直に自分を顧みることができるようになり、夫婦関係もよくなったと思います。お互いの人格を認め合うことが大切と思います。  静岡県 村河哲郎さん(69)

お金の管理 妻の担当に

 退職前は家計の収入源は私だったので、お金の管理は私がしていましたが、退職後はすべて家内に任せました。妻が年下で先に逝くのは私だと思ったからです。私はお小遣いをもらい、お金を自分で引き出すこともなくなりました。使えるお金は現役時代の半分以下になりましたが、自分で管理しなくていいのですっきりしました。妻も私に気兼ねせずにお金を使えるようになったといいます。お互い自由になった気がします。 三重県 出水周二さん(68)

共に母介護 会話増える

 定年前よりも会話が増えました。理由は二つ。一つは同居している認知症の私の母の介護を、定年前よりも私がするようになったことです。一緒にやることで、妻の負担が身にしみて分かるようになりました。もう一つは、住んでいる地域で特産品のフルーツを使ったスイーツを作ろうという試みがあり、ケーキ作りの好きな妻と一緒にかかわっていることです。知恵を出し合う中で、夫婦の一体感も生まれています。 東京都 五十嵐幹雄さん(61)

アンケート「定年後の夫婦関係」に寄せられた興味深い体験談を「60歳すぎても『仲良し夫婦』の秘訣とは」で掲載しています。

また、5月の紙面では、「お金をかけずに心に残る旅」「住まいの悩み」の2つのテーマでアンケートを実施中。回答はコチラからお願いします。


*読者会議の詳細についてはこちら(http://www.asahi.com/relife/dokusha)をご覧ください。

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