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【読者会議】ここ一番 力をくれる味 

<Reライフアンケート>「ここぞ」のときに食べるものは?

更新日:2017年12月10日

 勝負ごとや試験など、ここ一番のときに何を食べますか? 毎日食べているもの、母の味、好物、普段は食べられない高価なもの……。大事なシーンへの向き合い方は、様々なようです。


働く母のジャムトースト

 東京都調布市の望月正子さん(76)は小学生の頃、朝起きるとすぐに家を飛び出していた。歩いて10分。商店街の端にあるパン屋に着くのは、いつも開店前。あたりには湯気が立ち上り、香ばしい匂いが漂っていた。扉が開き、食パン1斤を8枚に切ってもらうと、まだほんのりと温かいパンを風呂敷に包んで持ち帰った。

 家では、出勤の準備を終えた母の露子さん(享年97歳)が、ポットで紅茶を入れて待っていた。母は買ってきたばかりのパンをトースターで焼き、バターとジャムをたっぷり塗ると、ザラメを入れた紅茶と合わせた。母を見送ると、望月さんも同じように食べ、学校に向かった。

 望月さんは、兄と妹の3人きょうだい。2歳のときに父が病死した。その後、母は大学で習った語学力をいかして連合国軍総司令部(GHQ)本部で働き始めた。銀座生まれで新しもの好きな母は、いつも洋服姿だった。
 毎朝、シジミを売る少年や、リヤカーを引く豆腐売りが近所を歩いていた。朝食は白米が定番だった時代に、決まってパンだった。

 「テーブルに大きな瓶詰のイチゴとマーマレードのジャムが置いてありました」。時折マヨネーズを使ったコールスローや、コンビーフが添えられることもあったが、ほとんどの日がジャムトーストだった。雨の日も風の日も、風呂敷を手にパン屋に向かうのは、望月さんの役目。日課は、高校に入って妹に交代するまで続いた。

 74年に結婚すると、夫の重俊さん(75)が育った家もまた、朝食はパンが多かった。20年ほど前、「甘いものは脳を活性化する」と書かれた新聞記事を読んだ。母のやってきたことに意味があったのだと確信した。

 2人の娘にも幼い頃から運動会や試験のとき、ジャムトーストと紅茶を出した。社会人になった今も、大事なときは欠かさず食べさせる。

 望月さんは「病み上がりでも、初めに口にしたいのは、ジャムトースト」と断言する。家族が白米を食べる朝もトーストだ。子どもの頃通ったパン屋には、もう行っていない。最近は、近くのスーパーでお気に入りを見つけ、いつも同じ食パンを買う。ジャムはブルーベリー味も加わったが、紅茶には変わらずザラメを入れる。70年間、欠かさず食べてきた味だ。「大事なときこそ平常心が大切。緊張せず、力を発揮できますから」


■ 夫婦で作る お祝いちらし

 1女5男に恵まれた我が家。昔からお祝いごとになると、夫とちらしずしを作ります。ニンジンなどの具材をそれぞれ煮て、合わせ酢も長年配合を追求。炊きあがったご飯と具と合わせ酢を、夫が手早く混ぜて、私はうちわであおぎます。このときばかりは奮発し、イクラもふんだんに使います。
 普段は夫と2人暮らしになりましたが、家族がそろうと18人になる正月とお盆に欠かせません。子どもたちに受け継ぎたい味です。 青森県 山崎多香子さん(61)


■ マラソン前に 老舗の羊羹(ようかん)

 甘いものには目がありません。普段はコンビニやスーパーで買いますが、10年前から始めたマラソンの勝負レースの日は別です。年5回出場するうち、6月の100キロマラソン、1月のフルマラソンのときだけ、「とらや」の小倉羊羹を食べます。
 小さくて甘みが凝縮されているので、スタート前にほおばるにはもってこいです。この羊羹を食べた日は好成績なことが多く、願掛けの意味も込めています。 千葉県 山本弘子さん(45)


■ 苦手克服 母の特製スープ

 幼い頃、ホウレンソウが苦手だった弟のため、母が考えたクリームスープ。バターや小麦粉などを用いた手作りのベシャメルソースに、ホウレンソウがたっぷり入ったシンプルなものでした。
 結婚してすぐ、私がインフルエンザで寝込んだとき、母が材料を抱えてやってきて、作ってくれました。就職して一人暮らしを始めた弟は、「あのスープどうやって作るの」と私に聞いてきました。今も昔も、私たちの大好物です。 千葉県 秋山あゆみさん(52)

アンケート「ここぞという時に食べるものは?」に寄せられた回答は「Reライフ世代に聞いた勝負メシ 人気はガッツリ系」にも掲載しています。

また、2018年2月紙面アンケートのテーマは「がんと診断されて……」「10代のころの自分にどんなアドバイス?」の2題です(2018年1月11日まで)。詳細は「がんと診断されて… 2月のReライフ面アンケート」ページでご確認ください。


*読者会議の詳細についてはこちら(http://www.asahi.com/relife/dokusha)をご覧ください。

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