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「60歳過ぎて青春」、豊かな経験が社会に生きる<作家・あさのあつこさん講演会>

1月22日開催 きょうもキレイ スペシャルトークvol.2

更新日:2016年12月27日

 アクティブ世代の女性たちの美や健康を応援する連続トークイベント「朝日新聞Reライフ きょうもキレイ・スペシャルトーク」の第2弾に、作家のあさのあつこさんが登場します。
 小説「バッテリー」などで知られ、10~20代を中心に人気のあるあさのさんですが、実は今、62歳。
 子育ても終え、まさに「Reライフ世代」の一人でもあるあさのさんは「女性は60歳を過ぎると、色々な役割から解き放たれ、生身の姿になる。それまで背負ってきたものを軽やかに置き、第2の青春を楽しめる」と言います。その心は――。
 「孤独を知って豊かになろう」をテーマに語っていただく1月22日のイベントを前に、お話をうかがいました。

●30代では書けなかった物語、今の私にしか書けないものを

――あさのさんは作家デビューされて25年になります。60歳を過ぎて、作家活動に何か影響は出ていますか?

 集中力が続かなくなり、仕事時間が短くなりました。肉体的に、むちゃができなくなった。締め切り間際だと昔は徹夜してでも仕上げて、質そのものは落とさない、ということができました。でも、今はそういうことをやると、翌日は確実に書き直しになる。精度の高いものを書く時間が短くなりました。仕事量自体は変わらないので、しんどいこともあります。

 でも一方で、人を書くのが物語。今は、30代では書けなかった「老いを背負った60代」をリアルに書けます。人を書く幅は、逆に広がっています。

 私はデビューが遅く、児童書から一般書に移ったのも50歳近くで、これまでは書きたいものを無我夢中で書いてきました。

 でも、もう作家になって25年。これからは、今の私にしか書けない物語や、書くべき物語は何か、ということを考えながら書いていきたいです。自分はどう生きたいか、国や社会がどうあってほしいか、と結びつけて書く。今まではあまり向かい合って来られなかったのだけど、これからはやってみたいなあと思います。

●半径何メートルの視点、地方発信、そして国

――社会や国を意識しつつ、書き続けるということですね。

 はい、30代や40代では、自分の家族など半径何メートルのことが一番大事でした。でも、この年になってみて、そういうものが減ってきます。子どもたちから手が離れ、周りを見ることができるようになります。国や社会とのかかわりが見えてくる。関わりなく生きている人間なんていません。

 「自分に向かい合う」って、自分の内に深く入り込むことと同時に、自分とつながりのある外側に気づく、自分を中心に広く見る、ということでもあるんです。

――今も地元岡山で書き続けています。これからも、やはり地方から発信し続けますか?

 それしか、私にはできません。中央が憎いとか、地方は衰えていく悲しい場所、というとらえ方はしたくない。地方にある空気感、匂いであったり、風であったり、音であったりが伝わるような物語を書きたいな、と思います。

 ふるさとという大きなものを、人を含めて、きちんと書き込みたい。まさに私が、死ぬまでに創り上げることの柱のひとつです。今はまだ、その戸羽口に立ったところです。

●9人の孫に囲まれて、生まれる物語もある

――プライベートの話になりますが、お子さん、お孫さんのことを教えて頂けますか?

 息子2人と娘が1人いて、それぞれ3人ずつ子どもがいます。全部で孫は9人。9人集まると、幼稚園状態です。やっぱりかわいいですね。一番上が7歳ですが、まだ「ばばあ、死ね」と言わないし(笑)。ある時、孫が、「学校にバアバの本があった」と呆然として帰ってきたことがありました。そういうのは面白いし、児童書を書いてきて良かったな、と思いますね。

 絶望は書きたくない。何とか、いい世界になる、ということを書きたいなと思っていますが、格差や虐待の問題など、世の中は逆に行っています。ですので、そのはざまで自分の中に葛藤があります。孫がいなければ、こんなに葛藤することはなかったと思います。この葛藤のはざまで、物語が生まれることもあります。 

●男と女は違う、「60歳過ぎて青春」の心の持ち方

 

――「Reライフ世代」とは、女性にとって、どんな世代だと思いますか? 

 女性は、仕事や母、娘、嫁などいろんな役目を背負っているが、60歳を過ぎると、そうした役割から解き放たれ、生身の姿になる。男性だと、昔の地位や名声などに固執しがちだが、女性はそれまで背負ってきたものを軽やかに置ける。第2の青春を楽しめます。

 個人としてどう生きるか、どう社会と関わるかなどを考えられる年代だと思います。思春期と同じで、「自分は何者か」ということを探る時期だといえます。

――主婦だったあさのさんが、37歳で「+α」をやったことが、今のご活躍につなっがています。

 そうですね。背負うものがなく、(荷物を)降ろした人って、前に進みやすい。「なにかしなきゃいけない」のではない。何か目に見えるもの、成果を挙げる、というのは男の人の目線だと思う。結果を出すことにこだわるのではなく、まず一歩踏み出す、ということに重きを置くのが女だと思うんですよ。

 とにかく前に一歩踏み出してみれば、同じ志をもった人に会えるかも知れない。年をとったから、新しい人と出会う必要はない、ということは一切ないわけです。やっぱり、前に行くべきだな、と思いますね。 

 1年間かけて、じたばたしてきたこと、そのことにこそ意味がある。成果を挙げたかどうか、というのは男の価値観・発想じゃないかと思います。50代、60代の女性によって変わることって、たくさんあると思う。人が変わり、社会が変わり、国が変わるということはある。いろんな経験をした女性たちの出番だと思います。


●孤独を知って豊かになろう

――あさのさんは、これまでインタビューで「孤独と向き合う」ということをおっしゃっています。家族や友人との死別もある。孤独とどう向き合っていけばいいですか?

 基本的に人間は孤独なものです。若いうちは、孤独に向き合わないでこられるが、60を過ぎると、孤独に向き合わざるを得ません。

 孤独というと、「1人で死んでいく」「寂しい」などマイナスイメージもあるが、「孤」とは、自分のために自分の命を使えるということ。1人で行動する、例えば「レストランで好きなものを一品だけ食べる」といったことをやってもいい。「1人はみじめだ」という思いのままでいると、孤独を知ることで豊かになるであろう70代や80代がもったいなくなります。

 私自身、昔読めていた文字が読めなくなるとか、むしろ衰えを感じることが多くなる。老いとか死がちょっとでもかすめると、人っていろいろ考えちゃいますよね。そのとき、過去を振り返り、「若い頃は、あれもできたのに」などと考えるのじゃなくて、これから先を考えていく力が必要です。

 過去って考えたって変わらない。自分にとって変わるものを考えた方が、ずっといいじゃないですか。例えば、余命半年と宣告されても、それまでの60何年は変えることができなくても、最後の半年は変えることができる。自分で創ることができるわけです。
                  ◇

 「孤独と向き合う」ことについて考えたあさのさんが感じている、60歳を過ぎてからの女性の生き方とは……。女性の豊かな経験は、どう社会や国を変えるのか。あさのさん自身は、どんな物語を編もうとしているのかなど、イベントで余すところなく、語っていただきます。 

●「きょうもキレイ スペシャルトーク vol.2」 内と外からキレイになろう

  • 開催日時2017122日(日)1316時 (12時半開場)
  • 場所:ハイアットリージェンシー東京(東京都新宿区西新宿2-7-2
  • 講師
    1部 あさのあつこさん(作家)  「孤独を知って豊かになろう」
    2部 石田純子さん(スタイリスト)「大人のオンナの着こなし術」 

 

<登壇者プロフィール>

あさのあつこ 1954年生まれ。岡山市で小学校の臨時教諭を勤めた後、37歳で作家デビュー。「バッテリー」で第35回野間児童文芸賞、「たまゆら」で島清恋愛文学賞を受賞。「バッテリー」は累計1000万部を超え、ファン層も10代から親世代へと広げてきた。児童文学だけでなく時代小説など新ジャンルにも挑んでいる。60歳を過ぎ、ますます精力的に著作活動をしている。 

石田純子 スタイリスト。ファッション誌編集者を経て独立。女性誌のファッションページや、広告、テレビなどのスタイリングを手がける。女優陣、アナウンサーなども数多く担当。また百貨店の販売員研修やトーク・ショーほか、幅広い世代の女性を対象にしたパーソナルなスタイリングアドバイザーとしても活躍。若作りではない、若々しいスタイリングに定評があり、予約がとれないほどの人気。

  • 定員500
  • 参加費
    〈一般〉4000
    〈優待〉3500円(朝日新聞2カ月以上の購読者、朝日新聞デジタル会員、朝日カルチャーセンター会員に適用)
  • 主催:朝日新聞社Reライフプロジェクト
  • 協力:小田急電鉄、アトラ50(http://atora50.com/)

 

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