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股関節痛に保存療法のススメ

<Reライフ講座>股関節痛予防と対策 理論と実践

更新日:2017年07月25日

 朝日新聞Reライフおすすめ講座「股関節痛予防と対策 理論と実践」が2017年7月8日、朝日カルチャーセンター新宿教室で開かれた。講師は理学療法士の佐藤正裕さん。立ったり歩いたりがつらくなる股関節痛の予防やリハビリについて、正しい姿勢や歩き方の実践も交えて指導した。


偏った動き 日常化して悪化

 股関節痛が悪化するパターンがある。例えば、左足が痛いと、その痛みをかばおうと左足に体重を乗せないように左の骨盤を引き上げるようにして歩く。本来は両足に均等に体重を乗せなければならないが、偏った歩き方が「正常な動き」として脳に記憶される。

 この動きが日常化すると症状が一気に進行するという。かばった足の骨はやせてもろくなり、筋力は衰え関節ももろくなる。X線でみると、左右の骨盤にずれが生まれ、かばった足の骨は細く黒くみえる。

 「左右に揺れて歩く、尻をひいて歩くなど変形性股関節症を患う人の多くは、何かしらの原因を生活の中でつくっている」と佐藤さんは指摘する。

海外で発達 手術避ける治療法

 杖をついて歩くようになり、悪くすれば治療で骨切りや内視鏡による手術をせざるを得なくなる。海外では、姿勢や歩き方を補正し、筋力トレーニングを行うことで、手術をしないで済む保存療法が発達している。日本の医療現場ではまだまだ少ない、この保存療法の実践に努めている1人が佐藤さんなのだ。

 「大切なのは予防。筋肉をほぐして体を動かすことが重要」と説く。佐藤さんが所属する学会では、英国の変形性股関節症の患者に1日6000~8000歩を週3日、3カ月間続けて歩かせた結果、痛みが軽減したという事例が報告されているという。

 痛みをかばいはじめると病は進行していく。安静にすると、筋肉が弱くなり、関節が硬くなる。そんな状態で2~3年経つと、痛みをかばった動き方を正常な動きとして脳が覚えてしまう。

 症状悪化のひとつの目安がある。ひざを曲げた状態で太ももを外側にひねっていく外旋(がいせん)ができなくなることは、歩き方がさらにひどくなる注意信号だ。「こうした病状の進行過程は現在の日本の医療現場では見過ごされがちだ」とも指摘する。

立ち方・歩き方  ポイントはお尻

 保存療法として佐藤さんがすすめる正しい立ち方がある。ポイントはお尻だ。股関節が悪くなると、骨盤が前傾になる。お尻を後ろに突き出した「でっちり」の格好で、お尻の穴が開いた状態になっている。これを体を起こした状態で骨盤を立てるようにする。それにはお尻の穴をきゅっと閉める。お尻の穴は地面に向いた状態になる。


 講座では、立ち方と歩き方の練習を行った。

 股関節が悪くなってくると、立っている時には、痛みがある側の足を前に出したり、かかとを浮かせて体重を乗せなくなったりする。そうするとひざが曲がり股関節も曲がり、腰回りの筋肉が硬くなる。

 歩く際、かかとから着地することが肝心だ。重要なのは、足が床に着いた後で片足立ちできるかどうかだ。講座では、着地と片足立ちを交互に繰り返して歩く練習をした。

 「骨盤がスーッと動いて、そこに体重が乗っている状態」をイメージする。落ちたものを拾うときは前かがみにならず、痛くても上体を起こした状態で両足を均等に曲げるのがいいという。

 速く動く必要はない。筋肉をほぐして、左右のリズムをとりながらゆっくり繰り返すのだという。


●講師プロフィル 佐藤 正裕(さとう・まさひろ)

 1976年生まれ。理学療法士。秋田大学医療技術短期大学部理学療法学科卒。2005年、順天堂大学医学部付属順天堂医院リハビリテーション室を経て2009年に独立。2010年から「ginzaplus」(銀座プラス)を開業。股関節痛を改善するため、股関節の動きを中心にした体の使い方を学ぶ「保存療法」を提案している。

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