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費用面からサ高住を説く 「終のすみか」なら慎重に選ぼう

<Reライフ講座>サ高住と特定サ高住の違い

更新日:2017年08月02日

 Reライフおすすめ講座「サ高住と特定サ高住の違い」が2017年7月14日、朝日カルチャーセンター新宿教室で開かれた。講師は有料老人ホーム・介護情報館「ニュー・ライフ・フロンティア」の相談員も務める今井紀子氏。制度発足後6年をむかえたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の現況や、一般的なサ高住と手厚い介護が受けられる「特定施設」の指定を受けたサ高住の入居費用の比較などについて説明した。今井さんの講義を採録する。


増え続けるサ高住の問題とは

 2011年に創設されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、60歳以上か要支援・要介護認定を受けた60歳未満を主な入居対象としている。高額な入居金が必要ないことが注目され、事業者には普通の賃貸住宅に「安否確認」と「生活相談」のサービスなどをつければ国の助成金がつくこともあって急増した。2017年4月末時点の登録数は全国で21万戸を超える。

 近隣にサ高住が急増した地域では入居者の奪い合いが発生。入居率の低いサ高住が廃業し、身寄りのない入居者がどこへも転居できずに取り残された問題も起きた。

 当初、サ高住は高齢者が借りやすい住居の提供に力点が置かれていた。現在は、介護サービスを前提とし、風呂・キッチンが備わっていない「介護型」が増えている。こうしたサ高住の入居者は、外部の訪問介護サービスを選択し、介護サービスを使った分だけ料金を支払うことになる。


「特定施設」のサ高住は1割程度

 これに対し、建物内にいる介護士、看護師による24時間365日の手厚いサービスを受けられる住居もある。介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定をうけたサ高住(特定サ高住)だ。介護士や看護師はその事業者に雇用されており、看護師の勤務は日中のみの場合もある。
 普通のサ高住と比較した場合、特定サ高住には人員配置の規定があり、見守りの密度が高い。介護の必要な入居者にとってはかなりの安心感がある。ただし、特定サ高住は全体の1割程度しかない。

介護が増えれば費用増大

 サ高住と特定サ高住のどちらがいいかは、プロでも見定めは難しい。特に注意したいのは、サ高住の費用について国の基準はなく、家賃や基本サービス費(安否確認、生活相談のサービス費用)は事業者によって千差万別なことだ。
 家賃は普通の集合住宅と同じ敷金方式が多い。家賃の24カ月分を入居時に預ける敷金は、退去時に原状回復費を差し引いて返還される。有料老人ホームのように巨額の入居金を払うことなく入居できる。

 一部のサ高住は、有料老人ホームのように「入居一時金」として家賃を一括前払いする方式だ。300万円~7000万円と地域などにより金額の差が大きい。入居時の初期償却や、一定期間を住み続けると返還されない償却期間が設定されている。

 老人ホームと比べて費用が安いと言われたサ高住だが、介護が必要になるとそれ相当の負担が発生する。現在の身体状況だけでなく将来どうなっていくかを考えて選ばなければならない。
 治療を目的としたおかゆなど「治療食」が別料金だったり、食事が不要であっても「厨房(ちゅうぼう)維持費」などの名目で費用を請求されたりするところもある。介護保険が適用にならない介護サービスをまとめた「パッケージプラン(保険外サービス)」や、必要でない場合でも定期的な医師の診察料などを入居時の契約条件としているところも多い。特定サ高住では、基準以上の職員を建物内に配置すると「上乗せ介護費用」が認められている。


 有料老人ホームなら安心、サ高住だからだめというわけではない。「終(つい)のすみか」として選ぶ場合は十分に調べて必要な相談を受けてください。


●講師プロフィル 今井 紀子(いまい・のりこ)

 1965年生まれ。東京都中央区日本橋1丁目にある有料老人ホーム・介護情報館「ニュー・ライフ・フロンティア」取締役。老人保健施設事務長、介護付き有料老人ホーム施設長、住宅型有料老人ホーム施設長などの経験を経て現職に就く。

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