不妊治療の体外受精では、受精卵を一つだけ子宮に戻しても、双子や三つ子が生まれる確率が通常の2倍になることが、日本産科婦人科学会の調査で分かった。妊娠成功率を上げるために、受精卵を体外で培養していることが影響しているようだ。多胎は早産や胎児の異常、母親の高血圧などのリスクが高まり、学会は慎重に治療法を選ぶよう呼びかけていく。
同学会は、2007〜09年に行われた体外受精で、受精卵を一つだけ子宮に戻し、着床して心拍が確認された約5万3千件の実態を調べた。この結果、双子以上の多胎と分かったのは0.8%で、自然妊娠で一卵性の双子以上になる確率0.4%の2倍だった。