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大阪府立大院生が論文データを捏造 理想的な数値1千個

2007年02月27日

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論文データねつ造について謝罪する大阪府立大学大学院工学研究科の藤村紀文教授(左)と奥野武俊研究科長=27日午後、堺市中区学園町で

 大阪府立大は27日、大学院工学研究科の男子大学院生(修士2年)が、応用物理学会英文誌に発表した半導体に関する論文のデータを捏造(ねつぞう)したと発表した。同学会に謝罪するとともに、論文の取り下げと、学会の奨励賞の返上を申請した。学内に調査委員会を設置し、担当教授らの指導など研究体制のあり方などについても調べる。

 論文は、同学会の06年12月15日付の英文誌に掲載された薄膜トランジスタについての研究。論文の中核をなす実験は、同院生が単独で実施し、所属研究室の藤村紀文教授らと共著論文として投稿していた。また、院生は05年9月の同学会で前段となる論文を発表し、奨励賞を受賞していた。

 問題となった論文は、チタン酸鉛などを使い、大電流にも耐えられるトランジスタの開発をめざしたもの。

 今月21日に府立大で開かれた修士論文発表会で院生が同じ発表をしたところ、トランジスタの特性を示す二つのグラフのデータのとり方の不自然さに助手らが気づいた。院生がパソコンやノートなどに残したデータを調べると、実験をした証拠がないことがわかった。

 院生に問いただすと、「実験はせず、グラフは自分でつくった」と捏造を認めた。

 藤村教授によると、院生は、理想的な特性を表す数値を約1000個捏造し、入力していた。「実験は彼に任せていた。きれいなデータで全く疑わなかった。管理者としての私の責任」と語った。

 奥野武俊・工学研究科長は「あってはならないことが起き、申し訳ない。調査委員会を設置し、処分や体制づくりを検討する」と話している。



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