科学技術に関連する過去の事故やトラブルを教訓にして新たな失敗を防ぐため、独立行政法人・科学技術振興機構が「失敗知識データベース」の公開を、ホームページ上で始めた。原子力施設やロケットなどの大規模事故から、交通事故や階段での転倒、テレビの発火など身近なトラブルまで約1100例を紹介。原因、関係者の行動、学ぶべき教訓などを解説している。
「失敗学」が専門の畑村洋太郎・工学院大教授らが、4年がかりで作成。キーワードから具体例が検索できるほか、航空・宇宙、原子力、自然災害など15の分類からも失敗例を探し、絞り込める。被害状況や原因、教訓、後日談なども記載。当事者へのインタビュー、情報源や参考になる文献も紹介している。
H2ロケット8号機の失敗(99年)などを盛り込んだ。スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗(03年)やJCOウラン加工工場の臨界事故(99年)など、社会への影響が大きい失敗例は「失敗百選」に選び、より詳しく解説した。
畑村教授は「失敗を防ぐには、他の業界や社会の失敗から学ぶことが重要。単なる事例集ではなく、教訓や再発防止のヒントを分かりやすく解説した」と話す。