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東京湾のアオギス放流計画、見送りへ

2005年04月05日

写真

アオギス

 東京湾再生の象徴として、「アオギス」を放流する計画が水産庁などの手でいったん進められていたが、実施は見送られることになった。別の海域のアオギスを放すことに日本魚類学会(西田睦会長)などが異議を申し立て、その意見が受け入れられた。動き出した放流計画が中止されるのは異例のことだ。

 キス科魚類のアオギスは同庁の「希少な野生水生生物データブック」で絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。以前は日本各地の海に見られ、東京湾ではアオギス釣りが初夏の風物詩だった。海の埋め立てや環境変化で数を減らし、東京湾からも70年代後半に姿を消した。

 そこで、水産庁の「豊かな東京湾再生検討委員会」(座長、清水誠・東大名誉教授)がアオギスの放流を検討。新たな特別委員会の開催を重ね、横浜市で11月に開かれる「全国豊かな海づくり大会」に向け、「アオギス放流は、全国初の都市住民参加型の海づくり大会の趣旨にも合致する」との報告をまとめた。

 計画では大分県・豊前海産のアオギスを放し、行動や生残率などを調べる予定だった。昨年の市民アンケートでも7割が放流に賛成だった。

 これに対し、日本生態系協会(池谷奉文会長)は「干潟などの環境整備が先決」「(放流するアオギスと東京湾産アオギスとの)遺伝的差異が十分に検討されていない」と反発。魚類学会も「東京湾で絶滅したとする科学的根拠がない」「調査や実現可能性の議論が不十分」との意見書を農林水産相に提出した。

 このため同大会実行委員会は3月末、アオギスを東京湾再生の象徴とすることに賛成しつつ、放流は見送ることを決めた。マコガレイ、マダイなどの放流も再検討するという。



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