米航空宇宙局(NASA)は27日、前日に打ち上げたスペースシャトル・ディスカバリーで、外部燃料タンクの断熱材がはがれ落ちたことがはっきりしたため、「問題が解決するまで次回以降のスペースシャトルの打ち上げを見合わせる」と発表した。一方、機体底面の断熱タイルに損傷が確認された現在周回飛行中のディスカバリーについては、今のところ帰還に問題はないとの見方を示した。
NASAによると、打ち上げ時の映像に外部燃料タンクから断熱材の塊が落ちる様子が映っていた。配管の脇から落ちた大きな塊は、長さ60〜80センチ程度と推定される。機体には衝突しなかった。
また、シャトル本体と外部燃料タンクがつながるバイポッドと呼ばれる部分付近からも、2カ所で断熱材の剥離(はく・り)が見つかった。
外部燃料タンクには極低温の液体水素と液体酸素を入れる。氷の付着を防ぐため表面を断熱材で覆っている。03年2月に起きたコロンビアの空中分解事故は、打ち上げ時に落ちた断熱材が翼を傷つけたのが原因だった。事故調査委員会が示したシャトル再開の条件に、断熱材の剥離対策が盛り込まれていた。
NASAは断熱材を吹きつける工程を見直して剥離につながる気泡や異物の混入を防いだり、はがれ落ちやすい部分には断熱材の代わりにヒーターを設置して、氷の付着を防いだりする対策をとった。その上で問題は「解決済み」として、ディスカバリーの打ち上げを決めた。
会見したシャトル計画部長のビル・パーソンズ氏は、「飛行再開までどれぐらいの時間がかかるか全くわからない」と苦渋の表情で話した。
◇
ディスカバリーは飛行3日目の28日、上空約350キロを周回中の国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングする。
打ち上げに伴って機体底面で、2カ所のタイルが損傷したことが確認されている。大きさは数センチ程度で、過去のシャトルでもこの程度の傷はしばしば生じていたが、深刻な事態につながっていない。NASAは、米東部時間8月7日午前6時前(日本時間同日午後7時前)に予定されるディスカバリーの帰還に問題はないとみている。
しかし、この部分は大気圏突入時に1千度を超える高温にさらされるため、NASAはドッキング前にISSの乗組員が実施する望遠カメラによるディスカバリーの点検結果を、さらに分析する。飛行4日目に、今回新たに搭載した機体損傷を調べるセンサーで、傷の深さなどを詳細に調べることも検討する。
今回の飛行で、帰還できないような損傷がディスカバリーに確認された場合、野口聡一さんら乗組員7人をISSに退避させ、45日以内に救援用シャトル・アトランティスを向かわせる計画になっている。しかし、断熱材問題が再燃したため、アトランティスを打ち上げられない可能性が強まった。今後深刻な損傷が見つかれば、NASAは難しい対応を迫られる。