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スーパー宇宙線、日米共同観測へ 相対性理論にも影響?

2006年02月15日

 宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線の中に、けた違いにエネルギーが高い「スーパー宇宙線」があるとの説をめぐり、真っ向から意見が対立する日米の研究チームが手を組み、米国ユタ州の荒野で壮大な観測を始めることになった。日本チームの主張通り「スーパー宇宙線がある」となれば、アインシュタインの打ち立てた相対性理論にほころびが見つかる可能性もある物理学の一大事だ。

 スーパー宇宙線の解明は、現代物理学の大きなテーマとされてきた。まず東京大が90年から始めた観測の結果、「13年かけて11個見つけた」と発表し、注目を集めた。ところが、その後、米ユタ大が「自分のところの観測装置で調べたけれど、なかった」と発表。行方が混沌(こんとん)としてきた。

 白黒はっきりさせるには、とにかく大量の宇宙線を精度よく観測するしかない。対立する双方が異例のチームを組み、共同で進める新プロジェクトが、米国に建設中のテレスコープアレイ(TA)だ。琵琶湖に匹敵する広さの荒野に粒子検出器を約600台並べ、巨大な無線LANで結ぶという、これまた異例の観測体制で検証に臨む。

 来春から数年の観測で、あるかないか決着がつくという。「呉越同舟みたいなものです。意見が異なるのは厳しいが、とても面白い」と、日本側の福島正己・東大宇宙線研究所教授は話している。

 米ユタ州の州都ソルトレークシティーから南西へ約200キロ。低木がまばらに生える荒野に、スーパー宇宙線を観測するためのテレスコープアレイ(TA)の建設が進んでいる。

 宇宙線が大気の成分である窒素や酸素などの原子核に当たって出る粒子のシャワーを、地上で検出する機器が1.2キロ間隔で576カ所に並ぶ。シャワーから出る弱い蛍光を観測する反射望遠鏡も3カ所に計36台。装置全体の「面積」は約760平方キロになる。日本最大の湖・琵琶湖(670平方キロ)よりも大きい。

 こんな仕掛けで狙うのは、エネルギーが一般的な宇宙線の数兆倍にもあたる「10の20乗・電子ボルト」を超えるスーパー宇宙線。地上で観測されるシャワーのエネルギーは低いが、逆算して求めるスーパー宇宙線自体のエネルギーは、1キロの重りを1.6メートル以上の高さから落とした時に匹敵する。テニスボールでいえば、強力サーブ並み。目に見えない微細な粒子が持つエネルギーとしては、けた違いに大きい。

 宇宙線の数はエネルギーが大きくなるほど少なくなるが、これほどの高エネルギーになると1平方キロあたり1世紀に1個ぐらいしか来ない。短期間で観測するには、どうしても装置の面積を広くする必要がある。

 スーパー宇宙線は、あったとしても、宇宙誕生の大爆発(ビッグバン)の名残である電波にじゃまされて、1億5000万光年より遠くまで進めないことが60年代、特殊相対性理論をもとに予測された。発生源と思わしきものが近くになく、地球では観測されないというのが定説になっていた。

 ところが、東京大宇宙線研究所が山梨県明野村(現・北杜市)に90年に造った面積100平方キロの観測装置「AGASA」が、13年かけて11個も観測したと発表し、定説に疑問符がついた。一方、ユタ大は観測される宇宙線のエネルギーには理論通りに上限があるという結果を発表。「スーパー宇宙線はない」との立場を明らかにした。

 実は、これらの結果の発表前から東大とユタ大は協力して観測する計画を練っており、「日米同舟」が始まった。装置の工費は約12億円で、日本が大半を出す。本格的な観測は来春から。年15個以上のスーパー宇宙線観測を目指し、数年以内に結論が出る見通しだ。

 「どちらかが間違っていたことになるから、もめるかもしれない。でも、それだけしっかりした結論になるはずだ」と東大の福島正己教授。

 米シカゴ大と英国などのチームも、アルゼンチンの荒野で同じ目的の観測装置を建設中だ。こちらは、面積が3000平方キロもある。

 スーパー宇宙線の存在が確実になれば、定説のよりどころである相対性理論が、極めて高いエネルギー領域で通用しない可能性が出てくる。相対論にほころびがあるとなれば、物理学では大きな事件だ。スーパー宇宙線の発生源も謎だが、ビッグバン直後に生まれた未知の粒子のかけらと考える専門家もいる。

 約30年前、スーパー宇宙線が相対性理論の検証に使えることを示した佐藤文隆・京都大名誉教授は「東大の観測は数が少なく決定的ではなかったが、これが次の大型観測を生み出した。新しい装置による結果を待ちたい」と、日本発の報告がきっかけとなった検証を心待ちにしている。



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