日本沿岸でごく普通にみられるクラゲ、ミズクラゲが大量発生する仕組みについて、愛媛大の兼田淳史助手(沿岸海洋学)らの研究チームが探ったところ、冬から春先の気温が高い年ほど大発生しやすいことがわかった。名古屋市で開かれている日本海洋学会で、28日に発表した。
ミズクラゲは傘の直径が十数〜30センチ程度。大発生すると漁網に入り込んで漁獲量が落ちるほか、原発や火力発電所の取水口に押し寄せ、出力低下などのトラブルも招く。東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)で99年、クラゲのせいで1、2、3号機の出力が約73%にまで下がるなど、電力各社も対策に手を焼く。
瀬戸内海に面した四国電力伊方原子力発電所(愛媛県)では、97年4月から8年間にわたってほぼ毎日、取水口に入り込むクラゲの量を記録している。研究チームはこれに風向き、気温、周辺の海水温、塩分などの情報を合わせて解析した。
その結果、1〜3月の平均気温が過去8年間で最も高い8.7度だった02年は、採取されたクラゲが約40トンと最も多かった。04年は、気温が高い割に採取量は少なめだったが、8年間全体でみると、大発生には気温の高さが関係しているとの分析結果になった。ミズクラゲの成長初期にあたる「ポリプ」が、1〜3月に暖かいと増殖が速まり、大発生の一因になるとみられる。兼田さんは「成果を年ごとのクラゲ発生量の予報にも役立てたい」という。