国立極地研究所と九州大は30日、無人飛行機2機で南極の地磁気の観測や画像の撮影に成功した、と発表した。1機は出発地から約35キロ離れた島に行き、一帯を約230キロ飛行して帰還。南極で無人機がこれだけの遠距離飛行をした観測は初めてという。南極大陸と周辺の島の間の海峡ができた年代や構造の研究に役立つ地磁気のデータや、氷河の画像などが得られた。
飛行機は翼長約3メートル。磁力計やハイビジョンカメラを積んで昨年12月中旬、南極大陸の端にあるサウスシェトランド諸島のリビングストン島から飛び立った。1機は同島周辺で、氷河が後退した様子などを撮影。もう1機はデセプション島まで行き、船からでは得られなかった島中央部での大きな地磁気変化を観測した。
極地研と九大は、5年ほど前から小型の無人飛行機と搭載する観測装置の開発に取り組んできた。完成した飛行機は、通過地点、高度、速度などを事前に設定すれば自動的に飛行し、離着陸のみ地上から操縦する。無線操縦装置の飛行機を扱う技術があれば操縦可能という。ガソリン10リットルを積むことができ、最大で5時間飛べる。