アルツハイマー病を引き起こすたんぱく質・ベータアミロイドを脳に蓄積する作用があるホモシステイン酸が、それ自体も発症の原因物質となっている可能性が高いことが、佐賀女子短大の長谷川亨教授と九州大の共同研究でわかった。ホモシステイン酸を脳内から減らすと記憶力が回復することを、発症しやすく遺伝子操作したマウスで実証。7月に米シカゴである国際アルツハイマー病学会で発表する。
ホモシステイン酸はアミノ酸ホモシステインの酸化物。その働きを抑える抗体を脳に注入したマウスは、迷路をたどってゴールさせる実験の成績が抗体のないマウスより優れていた。脳を比較しても、記憶をつかさどる海馬が大きかった。(1)ベータアミロイドあり・ホモシステイン酸なし(2)ホモシステイン酸あり・ベータアミロイドなし、の2群に分けて比べると、(2)の方が大きな記憶障害があったという。
長谷川教授は「ホモシステイン酸も、ベータアミロイドに劣らない原因物質であることが証明できた。いかに減らすかが治療のカギだ」と話している。05年、ホモシステイン酸の作用でベータアミロイドが脳の神経細胞に蓄積されると細胞死に至ることを、米国立衛生研究所などの研究者と共同で発見。アルツハイマー病を発症する遺伝子を組み込んだマウスで実験を続けてきた。(吉村治彦)