2009年6月30日16時48分
重さ200キロにもなり、漁業に多大な被害を与えるエチゼンクラゲが今年、大発生する恐れが高いことが、中国沖の調査で分かった。成長途中の個体が例年になく多いという。今後の増え方や海流の状況によっては、太平洋側の沿岸域にも侵入して史上最大級の被害を出した05年に匹敵する大量のクラゲが、日本に押し寄せる可能性がある。
調査したのは、上(うえ)真一・広島大教授(生物海洋学)らのグループ。上教授は、国が進める「クラゲ類の大発生予測・制御技術開発研究」のリーダーを務める。結果は、独立行政法人・水産総合研究センターに報告され、クラゲの発生予測に使われる。
06年から日中を結ぶフェリー上からエチゼンクラゲの発生量を観測。黄海南部、東シナ海北部で海面10メートル四方当たりの個体数を調べてきた。
20〜24日の調査によると、傘の直径が10〜50センチ大のエチゼンクラゲが平均2.14匹観測された。同じ6月のデータでみると08年(平均0.01匹)の約200倍。日本海側の定置網などに大きな被害を与えた07年(0.77匹)と比べても約2.8倍にのぼる。
07年の事前調査では、クラゲの群れがやや韓国寄りで観測された。一方、今年はクラゲの群れが日本側に張り出して分布し、太平洋側を含めた日本沿岸に流れ着きやすい状況になっているという。
上教授は「被害が大きかった05年のような規模になる可能性がある」と警戒を呼びかける。
エチゼンクラゲは、春に中国近海で発生し、成長しながら海流に乗って北上。日本には夏から冬にかけて押し寄せる。例年7月ごろに先頭の群れが対馬に到達する。大型になると5〜10匹程度でも網が破れて使えなくなる。網の中の魚を毒針で刺して品質を低下させるなどの被害を生む。