2009年7月1日20時36分
日食を誤った方法で観察すると失明しかねないと、国立天文台は6月30日、ホームページなどで注意の呼びかけを始めた。サングラスや黒い下敷きだけでなく、昔は推奨されたスス板ガラスも危険で、直接観察するには専用のグラスが必要という。
22日、日本では奄美大島などで皆既日食が起きる。部分日食なら日本全国で観察できる。だが、正しく観察しないと網膜を傷つけかねない。太陽性網膜症、日食性網膜炎という症状だ。京都府立医科大の木下茂教授(眼科)は「太陽の光が網膜の中心に集まり、虫眼鏡で紙を焦がすように焼ける状態」という。
1979年2月の日食では、数秒見ただけでも視力低下や視野が狭くなる事故が起きたと報告された。事故にあったカナダの20人を分析すると、7割が未成年だった。
90%が隠れている太陽でも、肉眼で見れば短時間で目に大きなダメージがあるという。目の奥まで届かない紫外線より、赤外線が危険で、紫外線カットのサングラスやゴーグルも役に立たないという。下敷きやCDのほか、以前には推奨されたススを付けたガラス板も、赤外線は通すため危険のようだ。
安全に見るには、太陽の光や赤外線をカットする専用の日食グラスが必要。天体望遠鏡の専門店や家電量販店で数百〜1千円台で購入できる。厚紙に小さな穴を開けて影を見る、鏡で反射させて壁に映すなど間接的な観察法もある。詳しくは、同天文台の「日食を観察する方法」(http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/obs.html)で。(鍛治信太郎)