2009年7月4日2時48分
新型の豚インフルエンザを動物に感染させると、通常の季節性インフルより、ウイルスが体内の広範囲で増殖することがわかった。ウイルスが腸管に達することもあり、新型インフルの患者で吐き気や下痢の症状が比較的多く見つかったことに関係があるかもしれない。
欧米の2グループが論文を米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
実験したのは、米国やオランダの研究グループ。それぞれ新型ウイルス(H1N1)と季節性のAソ連型ウイルス(H1N1)を、人と感染経路の似ているイタチの仲間フェレットに感染させて比べた。
季節性インフルのウイルスはフェレットの鼻腔(びくう)にとどまっていたが、新型のウイルスは気道や気管支で大量に増殖しており、肺にも達していた。オランダの研究では、季節性の場合は感染4日後にくしゃみなどの症状が改善したが、新型の場合は回復が2日ほど遅れたという。
米国の研究では、ウイルスが腸管からも見つかった。新型インフルの症状は発熱やせき、のどの痛みなど季節性インフルと同じだが、米国では下痢や嘔吐(おうと)の割合がやや高かったという報告がある。研究チームは「ウイルスが腸管で見つかったことと整合的だ」とみている。
インフルエンザに詳しい加地正郎・久留米大名誉教授は「フェレットはウイルスに敏感で実験によく利用される。結果はすぐ人には結びつかないが、注意は必要だ」と話している。