ヒトの卵子と皮膚細胞を使って、様々な組織の細胞に育つ万能細胞を作ることに、米国の研究チームが成功し、英科学誌ネイチャーに6日発表する。できた細胞は形態が通常の細胞と大きく異なるため、すぐに臨床応用にはつながらないが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚(はい)性幹細胞(ES細胞)など他の万能細胞の性質を詳しく知る材料になり、臨床応用に向けた安全性や効率の向上などに貢献しそうだ。
米ニューヨーク幹細胞財団研究所などのチームは、ヒトの卵子に、別の成人の皮膚細胞(体細胞)の核を入れて培養した。すると63個中13個が、分割してできる「胚盤胞(はいばんほう)」という状態にまで育った。
胚盤胞の細胞は、万能細胞に特徴的な遺伝子が活発に働いており、盛んに分裂して増えた。マウスに移植すると骨のもとや粘膜のもとになる細胞に育った。チームは「卵子を使えば体細胞を初期化できる可能性を証明した」としている。