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高校では柔道、大学ではラグビー、いまもフルマラソンを走る。人情味が厚く、講演では笑いも起こる。50歳の若さでノーベル賞受賞が決まった山中伸弥・京都大教授はまるで「スーパーマン」。しかし、快挙への道のりは平坦(へいたん)ではなかった。
手術が下手で整形外科医を断念。研究がうまくいかず、それもあきらめかけた――。京都大教授の山中伸弥さん(50)は、数々の挫折を味わってきた。
■手術中「すまん」
メスを持つ手は血まみれだった。神戸大医学部を卒業して研修医になったばかりの25歳のころ。初めての手術だった。上手な医師なら10分ほどで終わる良性腫瘍(しゅよう)の摘出が、1時間たっても終わらない。手術台の患者に謝った。「すまん」