【ワシントン=勝田敏彦】宇宙誕生の「ビッグバン」直後の状態を地上に再現する世界最強・最大の円形粒子加速器LHCが20日、運転を再開した。運営する欧州合同原子核研究機関(CERN)が発表した。LHCは、昨年9月の運転開始の9日後に冷却材のヘリウム漏れを起こし、以来停止していた。
LHCは光速近くまで加速された陽子ビームを正面衝突させる装置。事故を起こした部分の修理と改良を行ったあと10月に運転再開に向けた試験を開始していた。
11月3日、鳥が落としたとみられるパンの小片が原因で冷却装置が止まるトラブルがあったが、20日、陽子ビームが1周27キロの装置を再び1周した。
来週にも陽子同士の衝突を始め、測定器の調整に入る。「物質に質量があるのはなぜか」といった現代物理学上の大きな謎の解明などが期待される実験は来年始まる見通しだ。