イノシシワニの想像図。恐竜を食べていたと考えられている=米ナショナルジオグラフィック誌のウェブサイトから
恐竜を食べていたと考えられる「イノシシワニ」の頭部の想像図と化石=米ナショナルジオグラフィック誌のマイク・ヘトワー氏提供
【ワシントン=勝田敏彦】1億年前の地球は、イノシシやイヌ、アヒルなどに似た風変わりなワニが歩き回る世界だった――。それを示す化石5種を米シカゴ大の古生物学者ポール・セリーノ教授らのチームがアフリカのサハラ砂漠で発見した。米ナショナルジオグラフィック協会が発表した。
「イノシシワニ」というあだ名がつけられた新種は、体長が約6メートル。3対の鋭い牙を持ち、小型の恐竜を食べていたと考えられる。地面をはって動く現在のワニと違い、4本の脚で立って走っていたとみられる。
犬に似た形の鼻を持つ「イヌワニ」は体長約1メートル。走って敵から逃げる能力を持っていたらしい。脳が大きく、知能が比較的高かった可能性もある。「アヒルワニ」はアヒルそっくりの平べったい鼻を持ち、水辺で魚や虫を捕って食べていたらしい。
これらのワニは1億年前ごろの白亜紀に、現在のアフリカ大陸、南米大陸、南極大陸などが一つになって南半球の陸地のほぼ全域を占めていた「ゴンドワナ」と呼ばれる超大陸に住んでいたと考えられている。
セリーノ教授らは体長約13メートル、体重約8トンに達すると推定される巨大な「スーパーワニ」の化石も発見し、01年に発表している。
ワニは恐竜に近い爬虫(はちゅう)類で、突き出た鼻や水に潜る能力などに特徴がある。恐竜が約6500万年前に絶滅したのにワニが生き延びた理由はよくわかっていない。