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コロナ危機の世界、立命館高校生が海外の高校生とオンラインで議論

コロナ危機の世界、立命館高校生が海外の高校生とオンラインで議論
「Rits Super Global Forum」(立命館高校提供)

立命館高等学校(京都府長岡京市)の生徒が11月10~14日、海外の高校生と世界のさまざまな問題について話し合う「Rits Super Global Forum」を開いた。今年で7回目になる。いつもは日本に招いて交流しているが、新型コロナウイルス感染拡大のため、初めてオンラインで開催した。テーマもずばり「What Can We Do Under the Situations of the Coronavirus?(コロナ禍の社会で私たちができることは?)」。(編集部・大海英史)

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YouTubeライブ配信した「Rits Super Global Forum」のオープニングセレモニー(立命館高校提供)

海外11カ国・地域145人の高校生と交流

立命館高校から参加したのはグローバルラーニングコースの2、3年生65人と1年生から選ばれた10人の計75人。海外からは例年、欧州やアジアなどの11カ国・地域の約70人が参加しているが、今年はオンラインということもあって、より多い11カ国・地域15校の高校生145人が参加した。

生徒たちはウェブ会議システム「Google Meet」「Zoom」を使い、英語で話し合った。「コロナ禍で露呈した様々な問題は、世界の社会課題と複雑にからまっている」という問題意識から、それらの課題を見つめ直そうと、「コロナと○○」という四つのトピックについてディスカッションした。

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オンラインで海外の高校生と話し合う生徒(立命館高校提供)

「コロナと教育」では教育格差の広がり、「コロナと貧困」ではコロナ禍で支援が行き届かず苦しむ農村部や難民などの貧困の状況、「コロナと環境」ではマスクが海洋プラスチック汚染につながる恐れや地球温暖化とウイルスの関連、「コロナと社会・経済生活」では経済の立て直しやニューノーマル(新しい生活様式)のあり方などを話し合った。また、各校がトピックについて調査したり解決策を考えたりした動画を事前につくり、お互いに見せ合って意見を出し合った。

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感染対策をしてパソコンに向かう生徒たち(立命館高校提供)

議論を踏まえて、それぞれのトピックで自分たちに何ができるかをまとめた「アクションプラン」を発表し、最終日には自分たちがどう行動するかの「PLEDGE(誓約)」を宣言した。

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最終日に宣言した「PLEDGE」(立命館高校提供)

PLEDGEでは、コロナの感染拡大のなかで、①地元の生産者や企業が営業を続けられるよう支援する、②YouTube(ユーチューブ)やKhan Academy(カーンアカデミー)のようなオンラインで参加できる教育を促進するよう意識を高める、③マスクや消毒石鹸などの感染予防用品や教育用品を提供することを含め、困っている人を支援するために寄付を募る活動を進める、④地域の住民たちと共に道やビーチのゴミを拾うなどの清掃ボランティア活動をつくりだす、という四つの行動をまとめた。

コロナ危機を乗り越え、「Be Proactive!」

立命館高校では1年近く前から生徒実行委員会を発足させ、社会課題について調べたり、海外の高校生へのおもてなしについて話し合ったりしてきた。今年はコロナ感染拡大による休校があり、生徒たちにも「開催できるのかな」という不安があったという。

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Forumの「Certificate」(修了証)を手にする生徒たち(立命館高校提供)

それでも「こういう時だからこそ、できることは何か」とコロナ禍をテーマに選び、スローガンも「Be Proactive!」(前を向こう)に。オンラインという新しい手法を取り入れ、参加者もこれまでより増やした。吹奏楽の演奏や実行委員長のスピーチなどをYouTubeライブで配信するなど、コロナ禍を逆手にとってITを最大限に活用した。

来年2月ごろには、各校の生徒らが具体的にどう取り組んだかについて、オンラインでリポートを出し合うことも検討している。同校でグローバル教育推進部長を務める中西美佐教諭は「厳しい環境でも生徒たちが前向きに取り組み、発想の転換で新しい形をつくってくれた。この経験はきっと、彼ら彼女らの自信と成長につながり、ニューノーマル時代の新しい挑戦を自ら開拓していく大人へと成長すると確信している」という。

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中西美佐教諭(立命館高校提供)

「アクションを起こさなければ、環境は変わらない」と実感

「Rits Super Global Forum」(RSGF)生徒実行委員長の和田彩也巴さん(3年)

「RSGFを通してコロナについて話し合いましたが、実際どの社会問題もそれぞれが単体で存在しているものはなく、問題同士が複雑に入り組んでいるのだということに気がつきました。また、自分から何かアクションを起こさなければ自分を取り巻く環境は変わらないということを強く実感しました。ただ時の流れに身を任せ、当たり前の日常が戻ってくるのを待つのではなく、今だからこそできることは何なのか考える良いきっかけになったと思います」

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スピーチをする生徒実行委員長の和田彩也巴さん(立命館高校提供)
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