
目標10「国内および国家間の不平等を是正する」 「基礎から学ぶ SDGs教室」【16】

【日能研が解説する「SDGsとは」 第16回は目標10「人や国の不平等をなくそう」】

国家間の経済的な格差は、現在、小さくなる傾向にあります。貧困問題が特に深刻なのは、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼(とうしょ)開発途上国といった国々ですが、こうした地域でも貧困率は少しずつ下がってきています。
しかし、不平等が解消されているわけではありません。保健や教育、その他のサービスを受けられる機会という点では、まだまだ大きな格差が残っています。
国家間の経済的な格差が小さくなる一方で、各国の国内で不平等が拡大している現状があります。国によって、不平等の中身は異なりますが、拡大している状況は共通しています。
たとえば、日本では、少子化で子どもの数が減少しているにもかかわらず、生活保護費以下の収入で暮らす子育て世帯が過去20年で2.5倍になったことが、2020年に新聞で報道されました。また、14年の調査で所得格差を示す「ジニ係数」が過去最大になったことも発表されました。
一部の産業や分野にのみ関係する経済が成長している場合、貧困は解消されず、格差が広がる傾向になるようです。
また、所得の不平等だけでなく、性別、年齢、障害、人種、民族、宗教などに基づく不平等もあります。これらの不平等をどのように解消していくかも、私たちにとっての大きな課題です。
(日能研 教務部)

1953年の創立以来、中学受験を専門とする塾。86年から続く電車内広告「シカクいアタマをマルくする。」で知られる。子どもたちが、「自ら学び続ける私」を自分で育てることを応援する。2020年から未来型思考ができる新テキストを導入。全国に154校を展開(2022年3月現在)。
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