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「東京ハーヴェスト2021」、オンラインで開催 食品ロス削減へ「#捨てないを始める」

「東京ハーヴェスト2021」、オンラインで開催 食品ロス削減へ「#捨てないを始める」

食の作り手への感謝を伝えるイベント「Tokyo Harvest(東京ハーヴェスト)2021」が、「世界食料デー」の10月16日からオンラインで開かれている。今回は「#捨てないを始める」を掲げ、フードロス(食品ロス)削減を呼びかける。期間は「食品ロス削減の日」の10月30日まで。(編集部・竹山栄太郎)

「余すことなく食べる」提案

東京ハーヴェストは、生鮮食品宅配サービスのオイシックス・ラ・大地などでつくる実行委員会が主催。全国の生産者との出会い・交流の場として2013年から開かれ、駒沢公園で催された19年には2日間で4万5000人が来場したという。20年に続き、今回もコロナ禍の影響でオンライン開催となった。

YouTubeのオンラインプログラムでは、生ごみから堆肥(たいひ)をつくる「コンポスト」の導入方法や、食材を食べきる料理講座といったコンテンツを配信。コロナ禍で飲食店の余剰在庫となった生ビールを無料で蒸留し、クラフトジンとして店に返す「SAVE BEER SPIRITS」プロジェクトや、茨城県立水戸農業高校の農業研究部の生徒が、廃棄されてしまう規格外のいちごをつかって開発した「ストロベリー生パスタ」の紹介もある。Instagramでも「まるごと食べきりレシピ」を配信している。

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「SAVE BEER SPIRITS」プロジェクトでできたクラフトジン
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規格外のいちごを麺に練り込んだ「ストロベリー生パスタ」

農林水産省と環境省によると、日本の食品ロスは18年度の推計値で年間約600万tにのぼり、国民1人あたり年間約47kgになる。内訳は事業系が約324万t、家庭系が約276万t。食品の生産工程だけでなく、生ごみを焼却する際にも温室効果ガスが排出されるため、食品ロスを減らすことは気候変動対策としても重要になる。

10月15日に東京都内で開かれたオープニングセレモニーでは、アクションに賛同するタレントらもメッセージを寄せた。お笑いコンビ「マシンガンズ」の一員で、ごみ清掃員としても働く滝沢秀一さんは「家庭ごみにも食品ロスが多くあり、お中元やお歳暮の時期にはメロンがまるごと三つ捨てられているのを見ることもある。捨てられてしまうものに価値をつけることが大切だ」と話した。

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東京ハーヴェストの公式ホームページの画面

実行委員長の高島宏平オイシックス・ラ・大地社長は、「食品をつくりすぎ、大量に捨てているいまの状態を続けることはできない。いかに効率良く食べきるかは、単に食べ物が『もったいない』ということを越えて我々が地球で暮らし続けるために重要だ。今回のイベントで、『こうすれば余すことなく食べられる』という気づきを消費者に伝えたい」と述べた。

廃棄食材、名づけて商品化

オイシックス・ラ・大地は東京ハーヴェストの開催にあわせ、これまで捨てられていた食材に名前をつけて商品化することで、食品ロス削減につなげる取り組みを発表した。

ニラの茎は「にらっくきー」に。市場で出回るニラは規格にあわせてカットされるため、根っこに近い部分はおいしいのに使われないことが多いという。その部分をミールキット(必要な分量の食材とレシピをセットにした商品)のビビンバの材料に活用した。

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ビビンバの材料になる「にらっくきー」

また、サバの切り身をつくる工程で出る端材から骨を除き、フレーク状にしたものを「さばっぱ」と名づけた。ガパオソースをセットにし、野菜と炒めるだけでガパオライスがつくれる。今後も、なすのへたや山芋の皮などを活用していく予定だという。

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ガパオライスの材料になる「さばっぱ」

オイシックス・ラ・大地は、食品工場で廃棄されるはずのブロッコリーの茎や大根の皮をつかったチップスを2021年7月に発売。9月からは規格外品や端材を集めた「Oisixもったいないマーケット」を開くなど、生産や加工の過程で出る食品ロス削減に力を入れている。

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オイシックス・ラ・大地の高島宏平社長

高島社長はこれらの食品ロス削減策とビジネスの両立について、「ポイントは正しいプライシング(価格設定)。再加工にはコストがかかるので、『捨てた方が安い』という判断になりがちだ。お客さまに価値を伝え、しっかりした値段で販売できれば、ビジネスとして成り立つ」と指摘。そのうえで、「当社が先陣を切って取り組み、ほかのスーパーマーケットや食品小売業がみんなでやっていけば、どんどんマーケットができる。当社はファーストペンギン(群れから海に飛び込む最初のペンギン)でありたい」と話した。

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