写真投稿で給食届ける「おにぎりアクション」、21年は約140万食提供へ 前年の1.5倍

SNSにおにぎりの写真を投稿すると、アフリカ・アジアの子どもたちに学校給食を届けられる社会貢献キャンペーン「おにぎりアクション」で、11月5日までの約1カ月間に27万枚超の投稿が集まり、約140万食の給食が提供されることになった。主催団体のNPO法人「TABLE FOR TWO International」(東京)が発表した。目標の「120万食」を上回り前年実績の1.5倍に。SDGs達成に向けた機運の高まりが追い風になったという。(編集部・竹山栄太郎)
約7000人の給食1年分に
おにぎりアクションは、国連が定めた10月16日の「世界食料デー」にあわせて毎年おこなわれており、7年目の今回は10月5日~11月5日に開催された。特設サイトかSNSに、ハッシュタグ「#OnigiriAction」をつけておにぎりにまつわる写真を投稿すると、写真1枚につき給食5食(100円分)が子どもたちに届けられる。
SDGsの17目標のうち、「貧困をなくそう」(目標1)、「飢餓をゼロに」(目標2)、「質の高い教育をみんなに」(目標4)、「人や国の不平等をなくそう」(目標10)、「パートナーシップで目標を達成しよう」(目標17)の五つの達成に貢献する、としている。


期間中に投稿された写真は27万3876枚。トップスポンサーの日産セレナが、車と一緒に撮った写真を投稿すると通常の倍の10食を届けられる企画をおこなったため、提供できる給食数は写真枚数の5倍より多い139万7795食になった。約7000人の子どもの1年分の給食にあたる。前年は10月1日から31日までの期間中に20万2143枚の投稿があり、寄付上限だった90万食に達していた。
プロジェクトマネージャーの張一華さんは「コロナ禍のなかで、たくさんの方に世界の飢餓問題に興味を持って行動していただけてありがたく、うれしく思います」と話した。


「飢餓をゼロに」目標まで残り9年
おにぎりアクションは、参加者が無料で投稿でき、協賛企業が給食費を寄付する仕組みのため、協賛企業の確保が成功のカギを握る。今回は過去最多の31の企業・団体が参加した。「SDGs達成に向けて残り9年しかないなかで、取り組みを応援しようという協賛団体が増え、また、アクションに参加している個人の方の意識や熱量も年々高まっており、一緒にムーブメントを起こしていくチームが大きくなったことが、投稿数が伸びた要因の一つ」(張さん)という。
また、TABLE FOR TWOが参加者におこなったアンケートによると、参加して「3年目以上」という人が46%を占めた一方、「はじめて」の人も35%いたという。張さんは、「毎年継続して発信する参加者がいることで、お友達などが心を動かされて新たに参加したということもあったのでは」とみる。
アンケートでは8割近い参加者が、参加前と比べて社会課題への関心が「高まった」「やや高まった」と答えており、意識が変わるきっかけにもなっているようだという。


国連世界食糧計画(WFP)などが2021年7月に発表した報告書によると、20年時点で世界人口の1割にあたる最大8億1100万人が飢餓に苦しんでいた。コロナ禍が影響し、前年よりも悪化している。SDGsには2030年までに飢餓をゼロにする目標があるが、報告書は「このままでは30年になっても約6億6000万人が飢餓状態に置かれたままとなり、達成できない」としている。
張さんは「アフリカ・アジアの子どもたちが1食でも多くの給食を食べて学び続けられることが、飢餓や貧困の解消につながる。きちんと支援を続けていくことが大事で、おにぎりアクションは来年も継続していきたい」と話した。
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