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コラム「プラスチックごみの行方は」 基礎から学ぶ SDGs教室【22】

コラム「プラスチックごみの行方は」 基礎から学ぶ SDGs教室【22】
海岸を埋め尽くすプラスチックなどの漂着ごみ=2019年12月、愛媛県伊方町(撮影・朝日新聞)

海と陸、切っても切れない関係

地球上の海は陸に比べると非常に大きく、地球表面のおよそ7割が海ともいわれています。海水は蒸発して水蒸気になります。大気の対流によって水蒸気が冷やされて、雨となって陸にも降ります。陸に降った雨は川の水となって、やがて海にもどります。ですから海の水は、地球全体を動いていることになります。海と陸は、切っても切れない関係にあるのです。

また、海中で起きている対流という現象により、海中の水は立体的に移動します。この移動は、地球の環境変化に大きく影響をおよぼしています。海の環境を考えるということは、陸の環境や地球全体の環境を考えることでもあるのです。

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ペニダ島の沖に浮かぶ浮遊ごみ。プラスチック製品が多く、小魚が隠れていた=2018年12月、インドネシア・ペニダ島沖(撮影・朝日新聞)

世界中に広がるプラスチック

海の水が移動することによって、いろいろなものが一緒に移動します。たとえば、ブラスチック製品。プラスチックはペットボトル、レジ袋から、歯磨き粉や化粧品にふくまれる微小なビーズまで、いろいろなところに使われています。自然界では分解されにくい性質を持つブラスチック製品が一度海に流されると、分解されずにずっと海の中を流され続けます。太平洋の一部には、海に流されたごみが集まる場所があります。そこには大量のごみになったプラスチックがあるのです。

ごみになったプラスチックは浸食作用によって細かくなりますが、なくなることはありません。細かくなったプラスチックを、魚がエサといっしょに食べることもあります。プラスチックは魚の体内でも分解されません。もし私たちの食卓にあがる魚が、体内にいっぱいプラスチックを詰め込んだ後に漁師に捕まえられているとしたら、どう思いますか?

陸から流されたプラスチックは何千キロメートルも流されるのです。海は一つにつながっているので、日本から遠く離れた赤道近くで捕れた魚でも安心できません。ある一部の海で環境が汚染されたとしても、海の水の移動によって全体に広がっていきます。

海を守るため、様々な取り組みを

現在、海に流されやすいプラスチック製の袋やペットボトル、ストローなどは、使用禁止にしようとする動きがあります。環境に影響を与えるプラスチック製品をなくしてしまおうという考え方です。一方で、海水中の微生物の助けをかりて、プラスチックを二酸化炭素に分解してしまう製品を開発しようという動きもあります。

環境については、一つの方法だけで、ことがらの解決に結びつくことは少ないのです。解決のためには複数の試みが必要です。いろいろな海洋の問題に対処していくには一つの部分と全体が影響を与えあっていることや、一対一の対策だけではなく、「多」対「多」の対策を立てて、多くの人がさまざまな形で参加をすることができるような試みが大切になってきます。

(日能研 教務部)

日能研
日能研
1953年の創立以来、中学受験を専門とする塾。86年から続く電車内広告「シカクいアタマをマルくする。」で知られる。子どもたちが、「自ら学び続ける私」を自分で育てることを応援する。2020年から未来型思考ができる新テキストを導入。全国に154校を展開(2022年3月現在)。

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