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CO2削減、脱プラ、食品ロス対策から人権尊重まで ファミマに見るコンビニのSDGs化

CO2削減、脱プラ、食品ロス対策から人権尊重まで ファミマに見るコンビニのSDGs化
ファミリーマートの「サステナビリティレポート2021」の表紙

私たちの生活に身近なコンビニが、SDGsを意識した取り組みに本腰を入れだした。ファミリーマートは11月、サステナビリティ(持続可能性)に関する活動をまとめた「サステナビリティレポート2021」を発表。メディア向けに説明会を開いた。文字通り「便利さ」が最優先だった業界にも、異なる風が吹いている。(編集部・竹山栄太郎)

温室ガス削減目標を上方修正

ファミリーマートの「サステナビリティレポート」は、今年で5回目(前年までは「サステナビリティ報告書」)。重要課題(マテリアリティ)として五つの項目を掲げている。「環境配慮」「地域活性化」「安全・安心な商品・サービスの創出」「持続可能なサプライチェーン」「働きがいのある組織風土・人づくり」だ。それぞれの項目に関連するSDGsの目標も示している。

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ファミリーマートが掲げる五つの重要課題

重要課題のトップにすえる1番目に置く環境については、2020年2月に中長期目標の「ファミマecoビジョン2050」を発表している。ecoビジョンには三つのテーマがあり、

(1)店舗運営に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を、30年に13年比で50%削減し、50年にゼロにする
(2)オリジナル商品への環境配慮型素材の使用割合を、30年に60%、50年に100%に高め、プラスチックの使用を減らす
(3)店舗で出る食品廃棄物を、30年に18年比で50%削減し、50年に80%減らす

ことをめざしている。このうち30年時点のCO2削減目標は、当初「40%」としていたが、21年4月に政府が中期目標を「温室効果ガスの排出量を30年度に13年度比で46%削減」とアップデートしたことを受けて、「50%」に上方修正した。

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上方修正後の「ファミマecoビジョン2050」(提供)

具体的な取り組みを見てみよう。

CO2削減に向けては、店内や看板の照明のLED化や、店舗の屋根への太陽光パネルの設置、省エネ型の冷蔵・冷凍ケースの導入などを進めている。21年10月から、水素燃料で走り、走行中にCO2を出さない燃料電池小型トラックの実証実験も始めた。

プラスチック削減へあの手この手

プラスチックの使用量削減では、まずサラダの容器を2020年4月までに、すべてバイオマスプラスチックなどを使った環境配慮型に切り替え、年間約900t分を削減した。21年4月以降は、100%植物由来で生分解性素材のストローやスプーンの使用も始めている。また、スプーンの持ち手部分を穴があいた形状にして軽量化することで年間約65t、サンドイッチとおむすびの包装フィルムを薄くすることでそれぞれ年間約90t、約70tを削減した。

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持ち手に穴があいた新しいスプーン(下)。プラスチックの使用量を約12%減らした(提供)

弁当やすしの包装も、容器とふたが結合する部分だけをフィルムで覆うようにしたり、ヨーグルト飲料の容器を紙製に変更したりもしている。

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プラスチックと紙を一体化した新しいスープカップ。石油系プラスチックの使用を従来比で1食当たり約15%削減しつつ、強度と断熱性を持たせたという(提供)

ファミリーマートでは、20年7月からのレジ袋有料化で、それまで30%だったレジ袋辞退率が77%(20年7月~21年6月)まで高まり、年間で約23億枚の使用を削減できたという。

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レジ袋有料化の初日、お知らせが張り出されたファミリーマートの店内=2020年7月1日、名古屋市昭和区(撮影・朝日新聞)

21年に始まったユニークな取り組みとして、長崎県対馬市に漂着した海洋プラスチックごみを原材料の一部に使った買い物かごの導入がある。10月時点で、長崎県や関東などの計28店舗で、約2000個が使われているという。

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海洋プラスチックごみを再生した買い物かご(提供)

「エコ割」でおにぎり売り切る

食品ロス削減のための施策も進んでいる。取り組みの一つが消費期限の延長で、すしやサンドイッチなどで食材や製造方法、販売時間を見直し、食品ロスを18年度比で約30%減らしている。また、21年7月からは、消費期限が迫ったおむすびや弁当を値下げして売り切る「エコ割」が始まった。かつてコンビニ大手では、見切り品の値下げが事実上タブーだったことを考えると、大きな方針転換だ。バーコードのついたシールを対象商品に張る仕組みにしたことで、店舗側も簡単に取り組めるようになったという。

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エコ割のシール(提供)
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商品に張るイメージ(提供)

重要課題の一つ、地域活性化の活動としてファミリーマートがこのところ力を入れているのが、「ファミマフードドライブ」だ。店に食品の回収ボックスを置き、近隣住民に余ったお菓子やカップ麺などを持ち込んでもらう。集まった食品は地域のNPO団体が定期的に回収し、子ども食堂など支援が必要な人に届ける、という流れだ。もともとは愛知の店舗で始まり、21年4月から全国に展開。11月時点で33都道県の約730店舗が参加している。約2.3tの食品が寄付され、食品ロス削減にも貢献しているという。

このほかのSDGsに関連する取り組みとして、LGBTQの理解促進をめざした研修、障がい者雇用の促進などもある。

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ファミマフードドライブの回収ボックス(提供)

SDGsの取り組み、コンビニ各社で

ファミリーマート以外のコンビニ大手も、SDGsに関連する活動に力を入れている。

セブン-イレブン・ジャパンは21年6月から、一部の店舗で使用電力の100%再生可能エネルギー化をめざす取り組みを開始。プライベートブランドの「セブンプレミアム」では、持続可能な漁業で獲られたことを示す「MSC認証」を取得した水産商品や、「国際フェアトレード認証」を得たコーヒー豆やカカオを使った商品を売り出している。

ローソンは、レジ横のコーヒーサービス「MACHI café」(マチカフェ)で、働く人の人権や自然環境に配慮した「レインフォレスト・アライアンス認証」を得た農園でつくられたコーヒー豆を使う。また、糖質を抑えたおにぎりなどの商品を通じて、健康づくりを支援していることもアピールしている。

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