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基礎から学ぶSDGs教室

コラム「生物多様性と環境の保全」 基礎から学ぶ SDGs教室【25】

コラム「生物多様性と環境の保全」 基礎から学ぶ SDGs教室【25】
菜の花の蜜を吸うモンシロチョウ=高知県四万十市(撮影・朝日新聞)

モンシロチョウと植物

地球上のさまざまな場所には、いろいろな種類の生物が生活しています。それぞれの場所で生活している生物は、その場所の環境に合わせた生活をしています。環境が変化するスピードと程度によっては生物が生きていけなくなることがあります。

たとえばモンシロチョウの幼虫は、アブラナ科の植物の葉をえさとします。アブラナ科の植物が生育していない環境では、モンシロチョウは生活できません。だから、ある場所からアブラナ科の植物が全滅してしまえば、モンシロチョウも全滅します。

このような極端な環境変化を人がつくり出すこともあります。また、火山の噴火など自然現象が極端な環境変化を引き起こすこともあります。

地球の今までの歴史の中でも、さまざまな種類の生物が絶滅してきました。地球環境の変化によって、ある種類の生物が絶滅することは、歴史上あたりまえのことです。実際に、恐竜が絶滅しました。

1日に約100種が絶滅

では、なぜ、今、生物が絶滅するのを防ぐ動きがはじまっているのでしょうか。その一つの理由が、絶滅する生物の種類の多さだといわれています。

ある報告によると、100年前は、1年間に1種類の割合で生物が絶滅していましたが、現在は1日に約100種類の生物が絶滅しているそうです。これは、考えられないほどの速さなのです。

生物の多様性を守るという目標は、私たちのためにもなります。生物が絶滅する速さを自然現象で減る速さに近づけることで、地球の環境を保全していくことができるのです。

ともに生きる環境を

トキという鳥の保護を例にあげます。トキは人工的にふ化させられ、人が育てます。そして成長したトキを放し、トキが自然の中で卵を産み、ひなが育つように環境を整備します。

環境整備のひとつが“食”。トキが食べるえさはカエルや昆虫などです。カエルや昆虫が豊富に生活できる場所をつくるために、田んぼや畑で使う農薬を減らしたり、冬でも田んぼに水をはったりして、カエルや昆虫が生きていける環境をつくりだしてトキが育つ環境を整えていきます。

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水田の周りを歩くトキ=新潟県佐渡市(撮影・朝日新聞)

ある1種類の生物が絶滅しないように守るためには、その生物が生きている環境を守ることが不可欠です。私たちが地球全体で生物の絶滅を防ぐことに取り組むことで、地球の環境について考え、さまざまな生物がともに生きていく環境を整えることになります。

地球全体を考えるための模範解答は、だれも知りません。

(日能研 教務部)

日能研
日能研
1953年の創立以来、中学受験を専門とする塾。86年から続く電車内広告「シカクいアタマをマルくする。」で知られる。子どもたちが、「自ら学び続ける私」を自分で育てることを応援する。2020年から未来型思考ができる新テキストを導入。全国に154校を展開(2022年3月現在)。

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