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【Jリーグ シャレン!アウォーズ2021】地元PRへ本気で農業 福島ユナイテッドFC

【Jリーグ シャレン!アウォーズ2021】地元PRへ本気で農業 福島ユナイテッドFC
2021年6月、福島市内の田んぼで田植えをする選手たち(福島ユナイテッドFC提供)
朝日新聞社

地域とともに課題を乗り越えようとアクションするJリーグの社会連携活動「シャレン!」。多くの人と特にシェアしたい事例を表彰する「シャレン!アウォーズ」は、今年も5月に発表予定です。2021年に、「農業支援の取り組み」でパブリック賞を受賞した福島ユナイテッドFC。震災からの復興に取り組む姿を取材しました。(朝日新聞スポーツ事業部・恵藤公浩)

自ら田畑へ、ホームタウンへの思い

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初夏、福島ユナイテッドFCの選手たちは田植えをする。夏から秋にかけては名産のモモやリンゴを収穫する。農業体験ではない。サッカー同様、本気で取り組む農業だ。「福島の農作物を少しでもPRしたい」。強い気持ちで活動を続けている。

2011年の東日本大震災に伴う原発事故で痛手を負った福島県。地元クラブとして「何かできないか」という思いを強く持っていた。2013年のJFL昇格に合わせ、まず取り組んだのは観光PRなどのチラシ配布。だが、成果が見えづらかった。

福島は日本を代表する農業県だ。収穫量全国2位のモモをはじめ、リンゴなど果物の名産地として知られる。米はおいしい。野菜もたくさん取れる。

その地元が原発事故による風評被害で苦しんでいた。2014年、J3が誕生した年に「福島の農産物をアウェーの試合に持っていってPRしよう」と活動を始めた。

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11月にリンゴを収穫した堂鼻起暉選手(福島ユナイテッドFC提供)

選手自身も農作業をするようになった。最初はリンゴの生育作業から。次はモモ、米、洋ナシ、ブドウ、アスパラガスと品目を増やしてきた。

試合会場で福島産を紹介

午前の練習後、筋力トレーニング、けがの治療、子供たちのサッカースクール講師などの用事がある者以外は、ローテーションで農作業に汗を流す。

2020年から始めた通信販売も好調で、特に神奈川県など首都圏からの注文が多い。湘南ベルマーレとは選手の育成などで業務提携関係にある。湘南の会場で農作物、加工品を紹介することが多く、「そうしたことから福島県を応援してくれる湘南のサポーターが多いようです」と事業部の阿部拓弥さん。サッカーと農業を通したつながりを喜ぶ。

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湘南の試合会場で設けた「福島ユナイテッドFC農業部」のブース(福島ユナイテッドFC提供)
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川崎フロンターレの試合会場でも福島県の農作物をPR(福島ユナイテッドFC提供)

福島は他にも、収穫時期の試合にはモモ、米のデザインをあしらったユニホームにしたり、地元飲食店とコラボメニューを作ったりと活動を広げている。

中心となって引っ張っている「農業部長」の樋口寛規選手は「農業に関して僕たちは素人ですが全力で取り組んでいます。福島のおいしい農作物を広めたい。大変さもありますが、福島の野菜や果物を食べた方に『初めて食べた。おいしい』と言ってもらえるのでとてもうれしく思います」と話している。

〈シャレン!とは〉 地域密着をうたうJリーグでは、各クラブが官民と一体となっておこなう取り組みを「社会連携活動」と呼んでいる。「シャレン!」はその愛称。年に1度、J1、J2、J3の全58クラブ(2022年)が取り組みをエントリーし、サポーターや識者が優秀な活動を選ぶ「シャレン!アウォーズ」が開催されている。2022年は5月10日の予定。各クラブの取り組みは「シャレン!」のホームページで見られる。
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