SDGs ACTION!

【特別枠】「1秒でも早く、1人でも多く」命を救うために ピースウィンズ・ジャパン

【特別枠】「1秒でも早く、1人でも多く」命を救うために ピースウィンズ・ジャパン
稲葉基高リーダー
NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(代表者 大西健丞)

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)

活動名:空飛ぶ捜索医療団

特別枠・団体 賞金1000万円

「空飛ぶ捜索医療団」は、大規模災害の被災地にいち早く駆けつけ、救助・救命活動をおこなうために発足した、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクトです。NPO法人ピースウィンズ・ジャパンにより、2019年に設立され、医師の稲葉基高がリーダーを務めています。

我々は発足以来、トンガ沖大規模噴火(2022年)、令和2年7月豪雨(2020年)など、15の自然災害や新型コロナウイルスのクラスター現場へ出動してきました。それとともに、4年間にわたって広島県神石高原町のへき地診療所に医師・看護師を派遣。現在は自治体が進めるオンライン診療やウェアラブル端末を用いた健康管理にもアドバイザーとして参画しています。

ピースウィンズ・ジャパンの活動

さらに2021年には、生活習慣病が問題となっている大洋州のパラオ共和国での検診事業を現地国立病院と協力してスタート。ロシアのウクライナ侵攻後には、隣国モルドバで仮設診療所を開設。アジアで唯一のWHO登録医療チームとして、いまもウクライナ避難民のための診療を続け、受診患者は延べ1000人を超えています。

空飛ぶ捜索医療団は、その機動力と専門性、ロジスティクス能力を生かし、「災害支援」のみならず、「へき地医療支援」や「国際協力」にも貢献しているのです。

なおご存じの通り、日本では首都直下地震や南海トラフ地震といった巨大地震が30年以内に70~80%の確率で起こると予測されています。我々は、予測される大規模災害において「Preventable Disaster Death:防ぎえた災害死」を一人でも減らすため、民間初の「フィールドホスピタル(野営病院)」と災害対応医療船の整備に新たに挑戦しています。医師・看護師を中心とする150人以上の登録隊員、自治体やDMATのほか、企業も巻き込んだ多機関連携によるフィールドホスピタル設営の取り組みは、実践的な訓練を重ね、すでに実災害で運用可能な段階に至っています。

受賞コメント

我々の活動を評価いただき光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。いただいた賞金を活用し、NGO、行政、企業を巻き込んだ「マルチパートナーシップ・フィールドホスピタル」に新たに取り組みます。まだまだ小さな力に過ぎませんが、災害支援×地域医療×国際協力の三本柱で社会課題の解決に挑み続けます。

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