【農業の部】福島の未来に恩返しの花を咲かせたい ツツジ園の26代目当主 渡邉優翔さん

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:富岡町ツツジ再生プロジェクト
農業の部・個人 賞金100万円
私の家は福島県須賀川市で「大桑原つつじ園」という観光植物園を営んでいます。大桑原つつじ園は、300年以上の歴史を誇る庭園です。私は小さい頃から24代目(祖父)や25代目(父)の背中を見て、花で人を笑顔にする仕事に憧れを感じ、26代目として家業を継ぐことを決心しました。
東日本大震災から6年が経った頃、ツツジで有名な福島県富岡町の夜ノ森駅のことをニュースで知りました。夜ノ森駅のツツジが、放射能の問題により根元から伐採されてしまったというのです。地元の方から聞いた「このツツジは私たちの宝物。ツツジがまた大きくなり立派に花を咲かせないことには富岡町の本当の復興とは呼べない」という言葉は忘れられませんでした。
そんな折、あらためて家業の歴史をひもといてみると、大桑原つつじ園は参勤交代の際に会津藩からツツジを授かってできたことを知りました。そこで、今度は「大桑原つつじ園が富岡町へツツジで恩返しをしよう」と考えたのです。「NPO法人元気になろう福島」や「一般社団法人とみおかプラス」の皆さんの力も借りて、富岡町役場へ提案してみると実行へ移せることに。そうして2020年に発足したのが「富岡町ツツジ再生プロジェクト」です。

「富岡町ツツジ再生プロジェクト」は、富岡町にあるツツジから挿し穂を採取し、地域住民の方々と共に増やしていき、地域に植樹。将来的にツツジのあふれるまちを創り上げようというプロジェクトです。現在、育てているツツジは1000株、今年には植樹する予定です。この取り組みなどで環境大臣賞も受賞しました。
私は一つの木や花で、世界は変えられると信じています。これからも、花業界や地域資源に向き合い、自分なりにできることを進めていきます。
受賞コメント
この活動は私だけのものではなく、多くの花農家や住⺠の皆さんによって支えられてできた活動です。人に感動を届けられる花の仕事を誇りに思いますし、祖父と交わした「日本一のツツジ園にする」という約束を果たすため、今後も頑張っていきます。
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