【福祉の部】世代を超えた交流の場に 全国120カ所で民間図書館 情報ステーション

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:地域の方の居場所や生きがいとなる民間図書館
福祉の部・団体 賞金300万円
誰もが無料で利用できる「民間図書館」を、これまで日本全国120カ所で開設・運営してきました。場所は、駅ビルや飲食店、マンションの共用部、老人ホームの一角など様々です。
公立図書館が一般的に、読書や調査・研究をするための「静かな施設」であるのに対し、NPO法人情報ステーションが運営する民間図書館は、あらゆる世代の方が本を通して同じ空間で一緒に過ごすことのできる「交流のための施設」であることを大事にしています。本を読むにはちょっとにぎやかな、でも本をきっかけにみんなで話ができる、そんな地域の交流空間です。
本は、会員登録さえすれば誰でも無料で2冊、2週間まで借りることができます。NPO法人情報ステーションの携わる民間図書館であれば、どこで借りてどこへ返しても構いません。また蔵書は皆さんから寄贈していただいたもので、この1年間で日本全国から寄贈された本は約3万冊に上ります。

民間図書館での活動を支えるボランティアには、年間約1000名が参加してくださっています。年齢も職業も様々で、就学前のお子さんを育てている方、機械が苦手な高齢の方、過労で休職中の方、精神的な事情で定職に就けない方など色々な方がいますが、自身の興味を生かして自分のペースで参加できる図書館ボランティアは、皆さんの生きがいの一つになっているようです。
これからも、絵本を広げる子どもたちから時代小説が好きな高齢の方まで、あらゆる世代の方が集い、交流し、居場所と生きがいを提供できる場でありたいと思っています。
受賞コメント
2006年の「ふなばし駅前図書館」のオープン以来、多くの民間図書館をつくってきました。今回の受賞を励みに、これからもボランティアの仲間を増やしながら多くの民間図書館をつくっていきたいですし、いずれ福祉作業所兼図書館を開設したいと思っています。
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